6小学校で44人戻る 輪島中心部で合同始業式 仮設校舎、再会の喜び響く
輪島市の小中学校12校で2日、2学期が始まり、河井小の敷地で完成したばかりの仮設校舎には、市中心部の6小学校の児童が登校した。仮設校舎に加え、仮設住宅の整備が進む中、6小の児童数は夏休み前と比べ、44人増の396人となった。能登半島地震を受けて市外の避難先の学校に通っていた児童が地元に戻り、校舎には久しぶりの再会を喜び合う歓声が響いた。 輪島市では、各校の校舎が被害を受けたため、河井、鳳至、鵠巣(こうのす)、大屋、河原田、三井の6小の児童が2~3月は輪島高、4~7月は輪島中で合同授業を受けた。河井小敷地でプレハブの2階建て仮設校舎が8月に完成し、2学期から利用する。遠方に住む児童はスクールバスで通学する。 輪島市内で仮設校舎や仮設住宅が完成し、より安全に暮らし、学べるようになったことから、区切りのよい2学期に合わせて、避難先から輪島に戻ってきた児童が多いという。 二俣陽向(ひなた)さん(河井小6年)は、母親の実家がある沖縄県うるま市から輪島に戻った。2月から母親と弟の3人で沖縄で暮らし、現地の小学校に通ったが、クラスになじむまで時間がかかったという。8月上旬に輪島に引っ越した時は「建物の復旧は想像よりも進んでいないと思った。友達とは久しぶりで少し緊張するが、会えてうれしい」と語った。 幼稚園時代からの友人という山城龍一さん(河井小6年)は「戻ってきてうれしかった。また一緒にゲームをしたい」と歓迎した。 合同の始業式では、河井小と大屋小の六田茂行校長が間借りしていた輪島中では使えなかった体育館や図書室があることを挙げ「新しい学びを広げてほしい」と呼び掛けた。輪島中では体育館が使えなかったため、6校の児童がそろって集会を開いたのは初めてという。 仮設校舎には普通教室のほか、理科、音楽、図工などの特別教室や図書室を備える。体育は河井小体育館を使う。元の河井小校舎は解体する予定で、仮設校舎の使用を終える時期は未定となっている。 市教委によると、市内小中学校12校の全児童生徒数は夏休み前の712人から2学期は62人増え、774人となった。今後の転入に向けた相談も寄せられているという。 ●通学路で見守り、輪島署 児童の通学路が変更されたため、輪島署は2日、河井小周辺で通学路の見守り活動を行った。遠藤英之署長ら警察官26人が交差点などに立って交通事故防止を呼び掛けた。