侍ジャパン「カメレオン打線」主砲いなくても多彩オーダー!「3番目」辰己が2安打2打点 初実戦で手応え
◇練習試合 日本6-2広島(2024年11月5日 宮崎) 侍カメレオン打線が見えた。「ラグザスpresents第3回プレミア12」に出場する侍ジャパンは5日、今チームの初実戦だった広島との7回制の練習試合(8回はタイブレーク練習)に8安打5得点で快勝した。実戦から離れている選手を優先的に前に置くオーダーを組んだ井端弘和監督(49)は、選手の打順を問わない対応力に手応え。6日に宮崎合宿を打ち上げ、名古屋に移動する。 環境で体の色を変えるカメレオンのように、配置された打順に合わせて躍動した。井端監督はCSに出ていない選手を上位に置き、後に出た選手たちの順番で打順を組んだ。打席数を重ね実戦感覚を取り戻す目的だったが、大きな収穫があった。 「意外とどこの打順でも気にしないで打てるバッターが多い。そこはありがたい」 8回のタイブレーク練習を含めて、計9安打6得点。4番最有力だった巨人・岡本和は腰痛で辞退し、代表メンバー発表前にはヤクルト・村上が右足親指の骨折で出場できなくなっていた。絶対的主砲を欠く中でも、多彩なオーダーが組める可能性が広がった。 指揮官が「3番目です」と強調した初代表の3番辰己は2安打2打点。7回無死一塁では代走・五十幡が二盗するまでボールを見極めてから、左中間に適時三塁打した。5回は右前適時打するなど状況に応じた打撃を見せた。井端監督は「例え8番目とか、下位の方でもバッティングは変わらないのかなと思う。場面に応じてランナーを還す、引っ張ることもできる」と幅の広さを実感。3月の強化試合は6番だった紅林は5番で、3安打1犠飛と役割を果たした。 選手は本番で採用するものを選ぶため、出塁時にパフォーマンスの持ちネタを披露し合った。辰己は三塁打後、それまで各選手が行ってきたネタをカメレオンのように変幻自在に一気にやった。それらと比べて「俺のが一番良かった。日本を背負っているので気持ちが出た」と自ら考案した日の丸が躍る胸元を叩くポーズが採用されるのを期待していた。 日本シリーズ出場組が合流する前の今チーム初実戦。台湾代表のスコアラーが視察する前で、現有戦力が幅広い攻撃を見せた。井端監督は「この後もう1つ、2つ上げて本番に臨める」と手応えを口にした。(神田 佑)