【高校サッカー】150発男は半端じゃない 帝京大可児・加藤の先制弾で着火 狙うは10得点の大迫超え
◇第103回全国高校サッカー選手権 帝京大可児5-1大分鶴崎(2024年12月31日 味フィ西) 帝京大可児のFW加藤隆が大会の主役に名乗り出た。前半22分、ハイラインの相手DF裏を取ると、緩急をつけたドリブルでGKのタイミングを外し、最後はゴール右隅に先制点。「裏への抜け出しという自分の強みでゴールを決められてよかった。緊張感もありましたけど自信があった」と胸を張った。 エースの号砲で岐阜予選5試合計54得点の攻撃陣が目覚めた。後半には2年生MF青木嘉宏の2ゴールなど、一挙4得点で大分鶴崎を圧倒。マンツーマンを敷いた守備陣を攻略し、仲井正剛監督も「剥がし方はずっとやってきた。気持ち良く勝ちきれた」と目を細めた。 2回戦の初戦でゴールを挙げ、チームも大勝。それでも試合後の加藤隆は「決定力が課題」と物足りない顔。実は岐阜予選は1試合10ゴールを含む全試合得点で計21得点を記録。3年間の公式戦では150ゴール以上しており、指揮官も「練習試合を含めて(点を)取らないゲームはないんじゃないかっていうぐらい点を取る」と証言。1ゴール「しか」取れない“消化不良”だった。 50メートル走6秒1の快足、精度の高い右足に加え、「ハーランド(マンチェスターC)を参考にしている」とDFのマークを外す駆け引きが武器。高岡擁する日章学園、青森山田が姿を消した波乱の2回戦。明大に進学予定のストライカーは「世の中に自分の名前を知ってもらいたい。大迫(勇也)選手の10点を超えればもっと知ってもらえる。乗り越えていかないといけない」と貪欲。大会記録は「半端ない壁」だが、歴史をつくる覚悟がある。 (柳内 遼平) ◇加藤 隆成(かとう・りゅうせい)2006年(平18)9月26日生まれ、岐阜県本巣市出身の18歳。幼稚園時代にFC岐阜の選手が来たことがきっかけでサッカーを始め、小学時代は「FC Re:star」でプレー。帝京大可児中ではサッカー部に所属。好きなクラブはバルセロナ。将来の夢はプロサッカー選手。1メートル77、70キロ。