【解説】“マグニチュード9”南海トラフ巨大地震 地球の中を「直接観測」で巨大地震前兆をつかめ
■水深2600mの海底から、さらに500m穴を掘って観測機器を設置
今回、海洋研究開発機構が設置する観測機器、長い筒の中に、光ファイバーひずみ計や水圧計があり、これを水深2600mの海底から更に500mほど掘り進めて出来た穴の中に設置して観測をおこないます。
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■新型の光ファイバーを用いた装置を室戸沖に設置
南海トラフ巨大地震の震源域、まさにその海底の下に観測機器を設置するJAMSTECの取り組み。すでに東南海地震を対象に紀伊半島の南東沖の熊野灘に3基設置されています。 今回は光ファイバーひずみ計など新型の装置を、初めて南海地震のエリアである室戸沖に設置します。南海トラフ地震の震源域では、「DONET」と呼ばれる地震計や津波を観測する水圧計を備えた観測網が紀伊半島や高知県の沖合の海底に整備されています。データはリアルタイムで気象庁などに送られています。 今回、室戸沖の海底の下に設置される光ファイバーひずみ計なども2024年1月にすでに設置済みの観測網「DONET2」と接続される予定で、観測データをリアルタイムで送られるようになるということです。また、今後は高知県沖や日向灘など南海トラフ巨大地震の想定震源域の西側エリアでも観測する計画があるそうです。
■普段の動きを監視 特異な変化をつかんで減災に
海洋研究開発機構の地震津波予測研究開発センターの堀高峰センター長は次のように話しています。 「こうした観測によって普段の動きをしっかり見ておくことが重要。そして仮に異常なデータが見つかって南海トラフの臨時情報が出た際には、より一段と地震への備えを高めて少しでも減災に結びつけたい」 南海トラフの震源域の海域で設置作業をおこなっていて、「ちきゅう」では、X(旧ツイッター)でその様子を更新しています。