鳥山明さん死去、地元にも悲しみ広がる…「東山動植物園」コアラのデザインも担当
同じく清須市にある、鳥山さんが若い頃に通っていたという喫茶店にも、「悟空」と鳥山さんのサインが。店主は、「すごく温和でおとなしくて、あんまりものをそんなに喋る方ではなくて。いつもその場所で本を読んでました」とお店での様子を振り返る。
鳥山さんは壁際にある4人掛けの席が定位置で、店主の男性は読書を邪魔しないようにいつも見守っていたという。「あんなにいい人が亡くなっちゃって。世界の鳥山さんだもんね。目に浮かびますけどね。本当に残念ですね」と別れを惜しんだ。
漫画の原点・母校に残る鳥山さんの面影
その才能は、青年時代から輝いていた。鳥山さんの母校、愛知県立一宮起工科高校の卒業アルバムには、若かりし頃の鳥山さんの写真が映る。所属していたという、漫研同好会のページには、鳥山さんの直筆画が。愛知県立一宮起工科高校デザイン課の教諭、鵜飼辰彦さんは、「聞いた話ですけど「Dr.スランプ」の則巻千兵衛先生のモデルは(鳥山さんの担任だった)山田先生といわれています」と大人気漫画に関するエピソードを明かした。同高校の体育館のどんちょうは鳥山さんが寄贈した物。大人気作品を生み出した原点の場所には、鳥山さんの面影が今も残っている。
東山動植物園の“コアラマーク”もデザイン
さらに名古屋にも、鳥山明さんが遺したものが。それは、『東山動植物園』のコアラ舎にある「コアラマーク」。実はこのマークのデザインを担当したのも鳥山さんだ。1984年にコアラが初来日。愛護活動を盛り上げるために鳥山さんにデザインを依頼しており、コアラ舎のオープンとともにお披露目されたそう。『東山動植物園』の白木竜也さんは、「私も小さい頃から鳥山明先生の作品をいろいろと読ませていただいて。やはりそういった特徴というか、鳥山明先生らしさがあるのかなと思っています」とマークへの想いを語った。 世界中で愛される鳥山さんの作品。残した作品の数々は地元でも、これからも親しみ続けられていく。