来店客への声かけとヒアリングでロマンス詐欺の被害を防止 金融機関職員2人に警察が感謝状
来店した高齢者に声を掛け、ロマンス詐欺の被害を防いだとして、30日、銀行員の女性と信用組合の女性職員に警察から感謝状が贈られました。 【写真を見る】来店客への声かけとヒアリングでロマンス詐欺の被害を防止 金融機関職員2人に警察が感謝状 福岡県警粕屋警察署から感謝状が贈られたのは、福岡銀行 篠栗支店の木下直子さん(49)と、福岡県信用組合 宇美支店の永田美雪さん(47)です。 ■窓口訪れた高齢男性 会話内容から詐欺の疑い見抜く 福岡銀行の木下さんは4月17日、窓口を訪れた県内に住む70代の男性から、「ATMの振り込みを案内してほしい」と依頼されました。 木下さんは振り込み手続きを案内している最中に、男性がスマートフォンを気にしていたり、「振り込んだ明細書の写真を撮って送らないといけない」などと話していたりしたことを不審に思い、上司に相談。詐欺の疑いがあるとして警察に通報したということです。 警察によりますと、男性はSNSで知り合った女性名義のアカウントから投資に誘われ、指定された口座に10万円を振り込むところでした。 ■融資相談の男性 SNSのやり取りを確認して詐欺の疑い見抜く 福岡県信用組合の永田さんは5月23日、窓口を訪れた県内に住む80代の男性から、「お金を貸してほしい」と相談を受けました。 男性は、「海外に住む知人の娘からの荷物が税関で止まっていて、通すためにお金を貸してほしい」、「知人の娘とはSNSでしかやりとりができない」などと話したため、SNSのやり取りを確認し、詐欺の疑いがあるとして、近くの交番に届け出たということです。 警察によりますと、80代の男性もSNSでアメリカに住む日本人女性名義のアカウントからメッセージが届き、やりとりを続けるうちに、帰国費用名目で110万円を振り込むよう言われていたということです。 ■「ヒアリングと声かけの大切さを改めて感じた」 福岡銀行の木下さんは「詐欺被害が身近にあるということを改めて感じた。銀行に勤める一員として、今後もできることをしていきたい」、福岡県信用組合の永田さんは「来店客へのヒアリングと声かけの大切さを改めて感じた。被害を防げてほっとしている」と話していました。 福岡県警粕屋警察署の二重作剛署長は、「詐欺被害を防ぐには金融機関をはじめとした企業や事業者の理解と協力も必要。地域一体となって、詐欺被害の抑止対策に力を入れていきたい」と話しました。
RKB毎日放送