「世界一長い畳」ギネスに登録、熊本・八代市の職人らが製作 クルーズ船拠点に常設
国内有数のイ草・畳表の産地として知られる熊本県八代市の生産農家や畳職人たちが作った全長12・67メートルの「世界一長い畳」が、ギネス世界記録に登録された。7畳分に当たるという。このほど、製作者らが中村博生市長に報告した。これまでの記録は、岡山市の工場で作られた全長11・71メートルだった。 【写真】くまモンポート八代に設置されている「世界一長い畳」 ギネス記録への挑戦を目指し、イ草・畳表生産者でつくる県畳表銘柄確立研究会(通称・熊銘(ゆうめい)会)の会員や畳職人、畳問屋らでつくる「チーム熊本の畳」(約50人)が今夏、製作。幅は95センチ、厚さは5センチ、重さは約160キロあるという。 8月下旬に測定し、必要な記録や映像を添えてギネス機関に申請したところ、9月下旬に登録の連絡があったという。これとは別に、民間団体「日本記録認定協会」からも日本最長の畳として10月に認定された。 「チーム熊本の畳」を代表して、熊銘会の坂本一真会長(43)と園田聖副会長(53)が今月5日、両機関からの登録証を手に中村市長を訪問。坂本会長が「八代は畳の最後の産地。行政と一緒に守っていければ」と話すと、中村市長は「日本一のイ草産地として喜ばしい。生産者数は減少傾向にあるが、畳表の普及へ努力したい」と応じた。 畳文化の発信を目指し、「世界一長い畳」は市の大型国際クルーズ船の受け入れ拠点「くまモンポート八代」の旅客ターミナルにベンチとして常設。訪日客らが休憩に利用している。今月3日にはギネス記録を記念した市民へのお披露目会もあり、多くの人が座り心地を確かめていた。今後もクルーズ船寄港日には一般開放される。 (古川剛光)