【9番街レトロ・京極風斗】人生は答えのない問題の連続…自分なりの正解の見つけ方は?
神保町よしもと漫才劇場を拠点に活動している芸人「9番街レトロ」の京極風斗(きょうごく・かざと)さんは、極端なほどに“0か100か”で生きている。人生は答えのない問題の繰り返しなので、“自分にとっての正解”を見つけるしかない。そこで今回は、何かの壁にぶつかった時に役立ちそうな(!?)「もしもの話」で思考実験の練習を実施。3つのお話をお届けします! Mー1出場中!【9番街レトロ・京極風斗】のコラムが刺さる!
9番街レトロ・京極風斗
連載【0か100かで生きてゆく #54】 ー 思考実験 ー
Illustration: Kazato Kyogoku
もしも……の話
思考実験ってご存じですか? ご存じでない方も今回でご存じることになりますので、無駄な問いでしたね。 思考実験というのは、現実的には実験できないようなことを頭の中だけで想像して、どんな結末になるのかを考える実験のことです。 めちゃくちゃ簡単に言えば「もしも話」です。 であれば厳密には「実験」ではないのですが、細かいことはいいじゃないですか。 そうやって人の揚げ足ばっかり取ってると友達できませんよ。 この思考実験、ほぼ全てに共通することが「正解のない問題」だということです。 正解がないということは、実験を終わらせるためには、「“自分にとっての”正解」を見つけるしかありません。 人生は答えのない問題の繰り返しですので、思考実験で考える練習をしていると、何かの壁にぶつかった時、役立つことがあるかもしれません。 なので、いくつか紹介したいと思います。 かなり噛み砕いて説明するので、少々アホっぽい文章になりますが、ご了承ください。
『トロッコ問題』
線路の上を、もうホントにとんでもないスピードで走っているトロッコがあります。トロッコがそのまま進んでいくと、線路上にいる、すっごい鈍感な5人の作業員が轢かれてしまいます。 線路はY字になっているので、あなたがレバーを引いてトロッコの進路を右から左に切り替えれば、5人の作業員は助かります。 しかし左の線路には、これまたすっごい鈍感な1人の作業員が働いています。 何もせずに轢かれる5人を見守るか、1人を犠牲にして5人を助けるか。あなたならどうしますか? これは、「トロッコ問題」という、恐らく最も有名な思考実験です。 何もしなかった場合、5人もの命がなくなりますが、あなたにはなんの責任もありません。 レバーを引いた場合、5人の命は救われますが、同時にあなたがその手で1人を殺めることになるとも言えます。 法的にはどうなのか、道徳的にはどうなのか。何を大事にしているかで意見が割れると思います。 前述した通り、正解はありません。 あなたがとった行動が正解であり、間違いです。 であれば、後悔しないことが大事です。どちらを選ぼうがどうせ叩かれますからね。