「初」の成果相次ぐ、2024年デジタル人民元見通し
【CNS】2024年の年明け以来、デジタル人民元のパイロット事業は新たな成果を出し続けている。 山東高速集団(Shandong HI-Speed Group)はこのほど、2024年の社債を発行し、発行額は25億元(約514億円)となった。今回の債券発行では、デジタル人民元の高効率で安全かつ便利だという特性を活かし、初めてデジタル人民元の形での資金集めが実現した。 中国民生銀行(CMBC)は最近、デジタル人民元の基金の売買と償還の取引における革新的な応用を初めて推進した。これにより、デジタル人民元で積貯金(中国工商銀行<ICBC>とワールド・ゴールド・カウンシル<WGC>が共同で立ち上げた「スマート」な黄金投資商品)を購入する新たなサービスが追加され、応用シーンがさらに豊かになった。さらに、同銀行は自社のスマートフォン用銀行アプリとクレジットカードの公式アプリ「全民生活」にデジタル人民元のクレジットカード返済機能を同期し、オンライン化を進めている。 これまでのところ、デジタル人民元の試行範囲はすでに17の省と市の26のモデル地区に拡大している。各モデル地区はこのほど、2024年のデジタル人民元の見通しについての計画を立ててきている。 例えば、中国人民銀行(People's Bank of China、中央銀行)の深セン(Shenzhen)支店が最近公表したところによると、2023年末までに、同市のデジタル人民元ウォレットを年初から36.2パーセント増に相当する累計3733万9300開設し、累計流通額は年初から123パーセント増に相当する840億3400万元(約1兆7271億円)に達した。 各地域からの情報を見ると、デジタル人民元は管轄区域の実際の産業特性を考慮に入れた主要な計画となっている。深セン市は香港の乗車カードなどに使用できる電子決済、八達通(オクトパス、Octopus)との相互アクセスを試行し、デジタル人民元の「ハードウェアウォレット」を通じて、デジタル人民元の越境決済の応用を探求し続けている。これにより、香港人による中国本土でのモバイル決済サービスの利用がより便利になる。 中国人民銀行と香港金融管理局は1月24日、六つの金融措置を発表した。その中には、「デジタル人民元の越境決済のパイロット事業を深化させ、香港と中国本土の居住者や企業にさらなる利便性を提供する」ことが含まれており、これにより金融サービスがさらに改善され、金融協力が強化される。 金融技術専門家の蘇筱芮(Su Xiaorui)氏は、2024年のデジタル人民元のパイロット事業は、シーンの多様性がさらに豊かになり、そのカバー範囲は拡大し続けており、特に公共部門やクロスボーダーなどの分野が期待されていると考えている。また蘇氏は、デジタル人民元のソフトウォレットとハードウォレットの関連機能の多様化も進むだろうと見ている。(c)CNS-北京商報/JCM/AFPBB News ※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。