年金生活していた75歳の母。「生活がカツカツだから」と仕事を探し始めましたが、体が心配なので止めたほうがいいでしょうか?
定年後の年金だけでは足りない毎月の生活費を補塡(ほてん)するために、定年後からでも仕事をしようと考えている方もいらっしゃるでしょう。 年齢やスキルにより、職種は絞られる可能性がありますが、75歳以上からでも働ける仕事先はあります。 今回は、定年後の労働人口や就業状況、75歳以上からでも働ける仕事について解説します。75歳以上で仕事を選ぶ際の注意点もご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
定年後の労働人口と就業状況の割合
内閣府が2022年(令和4年度)に調査した結果によると、年齢別の労働人口と就業状況は、表1の通りです。 表1
※内閣府 「第1章 高齢化の状況(第2節 1)」を基に筆者作成 定年後からでも65歳~69歳までで、全体の半数近い割合の方が何らかの仕事に就いていることが分かります。年齢が上がれば割合も減少しますが、75歳以上の方も全体の1割前後は働いています。 就業率は10年前の2012年と比べると、65歳~69歳で13.7%、70歳~74歳で10.5%、75歳以上で2.6%伸びており、年々上昇傾向にあるようです。
75歳以上の方でも働ける可能性のある仕事と年収
定年後は健康面やスキル面などから、働ける職種はある程度限定されてしまう場合はありますが、75歳以上からでも働ける可能性のある仕事はあります。 75歳からでも比較的始めやすい仕事と年収は、表2の通りです。 表2
※職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「賃金(年収)」を基に筆者作成 これらの仕事に関しては、それほど年齢などの制限がなく、定年後からでも始めやすく求人も多い仕事になります。 ただし、上記でご紹介した年収に関しては、現役世代や正社員の方も含んだ全体の平均です。定年後に正社員ではなく、嘱託・契約社員またはアルバイトなどの雇用形態で働く場合は、平均よりも年収は少なくなると考えられます。
75歳以上の方が仕事をするうえで注意するポイント
75歳以上から働くとなると、健康面や収入面などのさまざまな観点を考慮して、仕事を選ぶ必要があります。仕事を選ぶうえで、注意すべきポイントは以下の通りです。 ●体力的に無理なく働ける仕事を選ぶ ●やりがいや自分のスキルを生かせる仕事を選ぶ 特に高齢になればなるほど、病気やけがのリスクが高まり、体力を使う仕事や体に負担がかかる仕事をすることは難しいと考えられます。 また、75歳以上となると働ける仕事の幅も狭くなるため、選べる範囲で自分のスキルを生かせるものや、働いていてやりがいを実感できる仕事がよいでしょう。