米ボーイングの最大労組、16年ぶりにスト実施-労働協約案を拒否
(ブルームバーグ): 米ボーイング最大の労働組合のメンバーは、暫定合意していた労働協約案を否決しストライキ実施を決めた。ワシントン州シアトル郊外にある同社の民間航空機製造拠点で生産が止まることになる。
米西海岸を拠点とする同社従業員3万3000人が加盟する国際機械工・航空機工労組(IAM)によるストは、2008年以来16年ぶり。13日午前0時からストに入った。同社で最も販売機数の多い「737MAX」を生産するシアトル郊外のレントン工場では、数百人がピケを張った。
米国時間13日早朝の時間外取引では、ボーイング株が一時3.9%下落。今年1月に起きたアラスカ航空の737MAXの事故や顧客離れ、経営陣交代など危機が続く同社の株価は、年初から38%下げている。
労働協約案は反対94.6%で否決され、スト実施を96%が支持した。
ボーイングのケリー・オートバーグ最高経営責任者(CEO)は労使関係を再構築すると表明し、組合員にストを行わないよう呼び掛けていた。また労働組合の執行部は4年間で25%の賃上げを受け入れるよう勧告したが、要求を下回る賃上げ率や年次賞与廃止に反発した従業員らはスト実施を選んだ。
シアトルはボーイング最大の製造拠点で、737のほか、市北部にあるエバレット工場では777や767が生産されている。
原題:Boeing’s Seattle Workers Walk Out in First Strike Since 2008 (1)(抜粋)
--取材協力:Danny Lee.
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Julie Johnsson