奨学金を借りるときに知っておきたいこと。そもそも奨学金って? どこに申し込めばいいの?
日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査」によると、何らかの奨学金を受給している人の割合は、大学(昼間部)が49.6%、短期大学(昼間部)が56.9%となっています。この背景には、長期化するデフレ下で平均給与は伸びないにもかかわらず、私大の授業料は値上がりを続けていることがあります。 家庭からの支援も期待できず、かといってアルバイトを増やすと授業に差し支えてしまうので、学生は奨学金を借りないと進学できない実態があります。この記事では、奨学金を借りるときに知っておきたいこととして奨学金の基礎知識を解説します。
奨学金のタイプ
奨学金のタイプは大きくわけて、貸与型と給付型があります。ほとんどが貸与型です。貸与型は借りた金額を卒業後一定の据置期間を経て毎月返済するタイプの奨学金です。 貸与型には、借りた金額(元金)だけを返済する無利子のものと、元金に利子を加えて返済する有利子のものがあります。 無利子の奨学金の中には、看護師や保育士など医療系・福祉系の国家資格をめざす学生を支援するものは、養成機関を卒業後指定された施設等で一定期間以上勤務すれば返済が免除になる修学資金もあります。 また、自治体の奨学金の中には、無利子で利用できるひとり親を対象とした「母子父子寡婦福祉資金」や、低所得者を対象と社会福祉協議会の「教育支援資金」もあります。貸与型奨学金の支給方法は、一定額の月額貸与が多いですが、入学準備金としてまとまった金額を支給するものもあります。 一方、給付型は所定の金額を支給するもので、原則、返済の必要はありません。 奨学金(貸与型・給付型)を受給するには、一般に家計基準と学力基準の両方を満たす必要があります。どちらの基準を重視するかは運営団体により異なります。家計基準では年収・所得の上限が決められています。一般に貸与型に比べて給付型のほうが選考基準は厳しくなっています。 採用人数、支給金額、支給期間もさまざまです。出身地や出身高校、学部など対象者が指定されているものもあります。他の奨学金と併用できるかもさまざまです。