五十肩の対処法って?痛み別アドバイス【医師監修】
五十肩は、症状の段階に合った適切なケアをすることが早くラクになるためのカギ。そのための具体策をご紹介。 更年期・女性ホルモンなど「50代健康のお悩み」
症状によって対処法が変わるので要注意!
五十肩は段階ごとに対処法が違うということだが、具体的な方法とは? 「痛みが強い炎症期は、肩を動かすと悪化するので動かさず安静にすることが大事。そして整形外科で治療(治療法は左記参照)を受けるのが賢明です。軽症でないかぎり、自然には治らないことも多く、治るのを待っていると数年かかることも。逆に治療を受けると1回で症状がラクになることが多いです。また、五十肩でなく腱板断裂や石灰沈着性腱板炎といった別の病気のこともあるのですが、近年、MRIやエコー(超音波診断装置)などの画像検査が進化し、肩関節疾患が精密に診断できるようになりました。病気が違うと治療法も変わり、これらも治療で改善するのでまず検査を受けましょう」 では拘縮期や寛解期には? 「拘縮期は関節包とともにまわりの筋肉も硬くなっていることがあり、動かさないでいると可動域が狭まったままになりかねないので積極的に動かすことが大切。ただ、無理に動かすと症状が戻ることもあるため、整形外科の理学療法士のもとでリハビリを受けて適切な方法で動かすのが理想的です。そして寛解期になったら、動きがよくなってくるのでエクササイズをどんどん行いましょう」 ちなみに、鍼灸や整体に行くのはOK? 「鍼灸や整体は筋肉にアプローチするもので、関節包の炎症をとるわけではないため根本改善にはなりません。ラクになるならよいですが、改善した場合、五十肩ではなかった可能性も。早めに治すならやはり整形外科、できれば理学療法士がいて、エコーを置いている病院の受診を」
じっとしていても痛みがツラい炎症期の場合
【主な対処法】 □安静 □鎮痛剤の投薬 □ステロイド注射 炎症期の場合、整形外科では鎮痛剤の内服薬の処方や、炎症を抑えるステロイド注射などで治療。「ステロイド注射は最近、エコーを見ながら関節包の中にピンポイントで打てるようになりました。そのため効果が表れやすく、1回打つと格段にラクになります。ですからエコーを見ながら打ってくれる病院を選ぶことが重要。ヒアルロン酸注射も選択肢ですがステロイド注射より効果は低めです。また、炎症が強いときはステロイドの内服薬を用いることも。そのほか、硬くなった筋肉に水分を注射してゆるめるハイドロリリースという治療を行うこともあります」。