『先生の白い嘘』

7月5日(金) より全国の劇場と3面ライブスクリーンにて、映画『先生の白い嘘』が公開される。 【全ての画像】『先生の白い嘘』場面写真ほか（全8枚） 本作は、ひとりの女性が抱える「自らの性に対する矛盾した感情」や、男女間に存在する「性の格差」に向き合う姿を描くことで、人の根底にある醜さと美しさを映し出したヒューマンドラマ。原作は、その衝撃的な内容が口コミで広がり、累計部数100万部（全8巻／デジタル版を含む）を突破した鳥飼茜の同名漫画だ。 男女の性差に翻弄され葛藤する本作の主人公・原美鈴を演じるのは奈緒。共演陣には猪狩蒼弥、三吉彩花、風間俊介らが名を連ね、監督は『恋わずらいのエリー』『弱虫ペダル』など数々の作品を手がけた三木康一郎が務めた。 本作で描かれるのは、美鈴を通して描かれる狂気的な人間ドラマ。一見、地味で平凡な高校教師の美鈴（奈緒）は、教卓の高みから生徒たちを見下ろし観察することで、密かに自尊心を満たしている。そんな美鈴は、親友・美奈子（三吉彩花）の恋人である早藤（風間俊介）に強制的な肉体関係を強いられ、自身が女であることの不平等さを植え付けられていた。早藤は女性を支配することに悦びを感じるサディスティックな一面を持っており、自分の働く不動産会社の取締役の娘でもある美奈子には、美鈴に接するような態度とは打って変わり、大切な恋人として優しく接している。 そんなある日、美奈子と早藤の婚約を知らされたことで生まれた複雑な感情をきっかけに、美鈴は男性と比較して力の弱い存在である女性の性そのものを憎みながらも、自身の性への目覚めに気づく。理屈では到底語ることのできない矛盾した感情に、美鈴は葛藤し翻弄されていく。 美鈴が早藤からの被害を訴えれば、美奈子は一体どう思うだろうか。きっと早藤のことを愛している美奈子は、美鈴の言葉を信じることはしないかもしれない。美鈴は早藤との関係を“女に生まれた”ことで起こってしまった“仕方のないこと”と思い込んでしまう。脚本を手がけた安達奈緒子も「描写のト書きを書くのがこれほど辛かった作品はありません」と語っている。 そして、自身が担任を受け持つクラスの生徒・新妻（猪狩蒼弥）に向かって、思わずさらけ出してしまった本音をきっかけに、美鈴は自身に芽生えた矛盾した感情と向き合っていくこととなる。早藤への期待や美奈子への嘲笑ではなく、自身と向き合うことで心の奥底にひた隠しにさせた本音と対話を重ねていく。 性という非常にセンセーショナルな題材に切り込み、複雑な感情や価値観が混ざり合う本作。性の不条理の体現という難題に挑んだ奈緒の演技にも注目だ。 ＜作品情報＞ 映画『先生の白い嘘』 7月5日(金) 公開