乗員20人、ライフジャケットつけず操業か 転覆・沈没のイワシ漁船
茨城県の鹿島港沖で大津漁協(同県北茨城市)所属の巻き網漁船、第8大浜丸(80トン)が転覆し、乗員2人が死亡、3人が行方不明になっている事故で、転覆当時、乗員20人全員がライフジャケットを着用していなかったとみられることが、海上保安庁への取材で分かった。同庁は業務上過失致死と業務上過失往来危険の疑いで捜査している。 【写真】運搬船の甲板に、転覆し、沈没した第8大浜丸の浮輪が積まれていた=2025年1月7日午後4時40分、千葉県銚子市川口町2丁目、根岸敦生撮影 鹿島海上保安署によると、船員法では甲板での漁業時などにライフジャケットの着用が義務づけられているが、今回救助された乗員が、事故当時は全員が着用していなかったと説明しているという。 イワシ漁をしていた第8大浜丸は、6日未明に鹿島港沖で転覆した。乗員のインドネシア人技能実習生5人を含む17人が救助されたが、このうちいずれも日本人の50代と60代の男性2人が死亡。40代と60代、70代の男性3人の行方がわかっていない。 海保は巡視船や航空機による捜索を続けているが、9日夕現在も手がかりは見つかっていない。(古庄暢)
朝日新聞社