「ワクワクする試合をしたい」U-22日本代表がまさに有言実行の好ゲーム。強敵アルゼンチンに5発快勝、“満足感”のある90分間だった
大きな価値を持つ勝利
[国際親善試合]U-22日本 5-2 U-22アルゼンチン/11月18日/IAIスタジアム日本平 強敵アルゼンチンに3点差の勝利。大きな価値を持つ一戦だった。 来年7月のパリ五輪を目ざすU-22日本代表が、今年最後の強化試合を実施。このチームにとって、日本国内で公式戦を行なうのは、これが初めて。初お披露目となった試合で、南米の強豪アルゼンチンに5-2で快勝を収めた。 スタジアムに訪れた1万1225人の観客、そしてテレビで観戦したファンにとっても、満足感のある90分間だったに違いない。 日本は立ち上がりから主導権を握り、18分に佐藤恵允のゴールで先制した。しかし、その3分後、負けじと攻勢を強めるアルゼンチンに自陣でボールを奪われた流れから失点。さらに、後半に入って押し込まれると、50分に献上したFKを直接決められ、逆転されてしまった。 難敵を相手にビハインドを負う苦しい展開となったが、若きサムライはすぐさま立て直し、反撃を開始した。 古巣・清水エスパルスの本拠地に凱旋した鈴木唯人が、66分に鋭いグラウンダーのシュートで同点とし、75分にもネットを揺らす。日本が再びリードすると、終盤には途中出場の松村優太と福田師王が追加点をマーク。リードされても、決して最後まで諦めることなく取り返し、勝利を手繰り寄せた。 【動画】鈴木唯人の睨み合いファイト もちろん、2失点していることに加え、不用意なパスミスから何度かピンチを招いた時間帯もあり、課題は残す。それでも、このようなスペクタクルな展開のゲームを制したのだから、賞賛されてしかるべきだろう。 個人のプレーを見ても、ボランチの松木玖生と藤田譲瑠チマは当たり負けしないフィジカルを活かしてボールを刈り取り、攻撃に繋げた。三戸舜介は右サイドからカットインし、スルスルと狭いスペースをドリブルで突破。バングーナガンデ佳史扶が、対峙したパブロ・ソラリのテクニカルなドリブルを冷静な対応で止めたシーンも見事だった。 個々の能力でも、アルゼンチンと十分に渡り合っていたように見えたし、途中出場で結果を残した松村、福田らを含め、層の厚さも感じる試合となった。 11月9日に行なわれたメンバー発表会見で「見に来た観客の皆さんに楽しんでもらえる、ワクワクする試合をしたい」と大岩剛監督が語った通り、まさに有言実行だ。 U-22日本代表は来年4月、五輪出場権獲得を懸けた23歳以下のアジアカップに挑む。アルゼンチン戦で得た大きな自信をこの大会に繋げたい。 取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)
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