公演を企画した林家たい平さん

　東西の人気落語家が協会や流派の枠を超えて一堂に集まる「第18回　三遊亭円楽名誉プロデュース　博多・天神落語まつり」（西日本新聞社など主催）が11月1～4日、福岡市・天神のFFGホールなどで開かれる。7月に福岡市民会館であったプレイベントに参加した林家たい平さんと桂宮治さんに、落語まつりへの思いなどを聞いた。　（聞き手・片岡寛） 【写真】「博多・天神落語まつり」をPRする三遊亭円楽さん（2021年）

林家たい平さん　円楽師匠の思いを受け継いで

　－円楽さんの遺志を継ぎ、落語まつりの公演プログラムを企画している。 　「円楽師匠がこの会を始めると言った時の思いも本人から直接聞かせてもらってますし、長く続けることが大切だという話もずっとしていました。こんなに早く逝ってしまうと思わなかったので、一番近くで見させていただいた一人として、師匠の思いを受け継いでいくべきだろうなということですかね」 　－出演者はどのように決めているのか。 　「落語まつりは、円楽師匠が集まってほしい人に声をかけて始まっています。師匠方からスケジュールをいただいた中で、それを振り分けるのが僕の役割。誰と誰を組んだら面白いのか、18回続く中でもまだ実現しなかったプログラムがきっとあるはずだという思いで作っています」 　－各公演のタイトルがユニーク。 　「円楽師匠はずっと面白そうにニヤニヤしながらタイトルを考えてたので、ある意味、出尽くしているところもありますが、楽しそうな円楽師匠を思い浮かべながら考えています」 　－今年は若手や女性の出演も目立つ。 　「大御所の師匠方は安定の芸ですよね。僕たちより少し後輩になると、若く勢いあふれる芸が花開いています。さらにその下では、パワーが体中に充満している。（蝶花楼）桃花ちゃんは今乗りに乗ってますし、（林家）つる子ちゃんは真打ちになったばかりで、落語をやってることが楽しくて仕方がない。（三遊亭）わん丈君は落語に自分らしさ、新しさを取り入れようという思い。そういった若手のキラキラを皆さんの目に焼き付けてほしい。5年後、10年後の進化を見られるのが若手の面白さ、良さだと思うんですよね」 　－福岡のファンにメッセージを。 　「落語は一期一会。お客さまとつくっていく毎回の空間、時間です。僕たち落語家だけが頑張っても、素晴らしい時間はつくれません。ぜひ皆さんの力を借りて楽しい、幸せな時間を一緒に過ごさせていただければと思っています」