李登輝元総統ゆかりの「源興牛」、新品種に登録 民間初/台湾
(台北中央社)李登輝(りとうき)元総統の生家「源興居」から命名した「源興牛」が新品種に登録された。農業部(農業省)が17日、告示した。台湾で民間が種の保存に取り組む牛が新品種に登録されるのは初めて。 同部によれば、「源興牛」は日本統治時代に台湾総督府が日本から持ち込んだ役用種をルーツとする。日本政府の撤退後、これらの牛は重要な放牧地である台北の陽明山国家公園内の擎天崗で飼育された。2016年に李登輝基金会が雄8頭と雌11頭を全て購入。東部・花蓮県鳳林鎮にこれらの牛を移し、「源興牛」と命名した。李氏逝去後に設立された源興居生技が20年末、同部に命名を申請していた。これらの牛の集団は22年12月には雄12頭、雌19頭の計31頭にまで増えた。 「源興牛」は現在まで外来種との交雑はなく、遺伝上ではその他の品種と顕著な差異を有する独立した種の集団となっている。遺伝上、西洋の種とは比較的遠く、日本の和牛とは比較的近いという。 源興居生技によれば、李氏は16年に石垣島を訪問した際、石垣牛のおいしさに感動し、「台湾和牛」を生み出そうと決意した。後に擎天崗に日本から持ち込まれた牛がいることを発見。これらの牛は長年の近親交配の影響で血統の純化が起こっており、現在の日本和牛と比べても遺伝子プールが純血の但馬牛に近いことが判明した。これらの牛と台湾で飼育されたホルスタインを交配させ、「源興牛」を生み出すことに成功したという。 (楊淑閔/編集:名切千絵)