６回、ペッチ・ソー・チットパッタナ（左）を攻める中谷潤人

　ボクシングの7大世界戦の第2日が14日、東京・有明アリーナであり、WBCバンタム級王者の中谷潤人（26）＝M・T＝が同級1位のペッチ・ソー・チットパッタナ（30）＝タイ＝に6回TKO勝ちして2度目の防衛に成功した。WBOスーパーフライ級王者の田中恒成（29）＝畑中＝は挑戦者のプメレレ・カフ（29）＝南アフリカ＝に1―2で判定負けして王座から陥落した。 ◆立華理莉＆霧島聖子、ラウンドガールを務める【写真】 　WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチに出場した田中恒成は私のジム（畑中）のチャンピオン。意識して厳しく見ていたが、私の採点では1ポイント差で恒成が勝ったと思う。特に11、12ラウンドは恒成が押し切った。試合は序盤の4ラウンドまで互いに慎重で動きは見られなかったが、5回の右フックのダウンで恒成が目覚めた。ただ、相手のガードは堅かった。 　反省点は慎重になった序盤のラウンド。様子を見過ぎたことで仕掛けるタイミングがつかめなかったことだ。ただパンチを振ってくる相手のボクシングは分かっていた。予想した通りだった。前半にもたついてしまったのはよくなかった。 　メインイベントのWBC世界バンタム級タイトルマッチは、王者の中谷潤人が実力通りの強さを発揮した。ペッチを6回TKOに沈めて、防衛に成功した。試合は中谷のワンサイドといえるすごい試合だった。くっついてもいいし、離れてもロングのストレート連打が打てる。メインイベントにふさわしい選手だ。 　バンタム級は主要4団体のチャンピオンが全て日本人となっている。ここまできたら、ファンの期待は統一戦となることだろう。（元WBC世界スーパーバンタム級王者、中日スポーツ評論家）