【プレイバック’13】ドラマ『安堂ロイド』超厳戒下のロケで本誌が垣間見たキムタクの"意外な"表情
10年前、20年前、30年前に『FRIDAY』は何を報じていたのか。当時話題になったトピックをいまふたたび振り返る【プレイバック・フライデー】。今回は10年前の’13年12月27日号掲載の「視聴率でピリピリ? キムタク『安堂ロイド』超厳戒ロケ現場」を当時の記事のままでお届けする。 【食事を終えて…】すごい…! キムタク「現在な主役級」の若かりし名優との超貴重なツーショット TBSの日曜劇場では主演した過去4作品の平均視聴率が26.1%だったという木村拓哉(当時41)。そんな彼が『GOOD LUCK!!』以来10年ぶりに柴咲コウ(当時32)と共演を果たすということで、鳴り物入りでスタートしたのが『安堂ロイド~A.I. knows LOVE? ~』だった。これまで美容師、レーサーから総理大臣までさまざまな役を演じてきた木村がアンドロイドを演じるという斬新な設定だったが、その評判は今一つ。そのせいか、本誌がロケを取材しようと訪れたところ、現場はかなりのピリピリムードで……。 ◆【プレバック! 近隣住民も近づけない厳戒態勢の中で……】 「撮影現場は、役者に集中して演じてもらおうとピリピリしています。街中の口ケでは数人の警備員を配し、近所の住民でも近づけない。怪しい車がいればすぐにスタッフに報告し、追い払うようにしているんです」(TBS関係者) 木村拓哉主演のドラマ『安堂ロイド』(TBS系)が、12月8日放送回で開始以来ワーストタイの10.3%という視聴率を記録した。「局内の風当たりも強い」と、TBS関係者は続ける。 「キムタクを使って視聴率が一桁に落ちれば、担当プロデューサーは更迭ものでしょう。『GOOD LUCK!!』や『ATARU』など多くのドラマでSMAPのメンバーを起用してきた名プロデューサーですが、ジャニーズ側が『もうカレの作品には出ない』と言い出すかもしれません」 12月上旬、厳戒態勢のロケ現場に向かった。神奈川県大和市の水質管理センターで行われていたのは、12月15日放送の最終回の撮影である。敷地内に運動場や数棟の建物を持つ同センターは、一方を山に接し一方は川。周囲には住宅も少なく、人影はまばらだ。さすがに警備員の姿はなかったが、高さ1.6mほどの塀が四方をぐるりと囲んでいる。 撮影が始まったのは、午前10時過ぎ。駐車場には数台のロケバスや送迎用の高級車が並んでいたが、内部の様子はうかがえない。これではキムタクどころか、スタッフの動きを確認するのも難しい。つい記者もボヤいてしまう。 「『リーガルハイ』のロケでは簡単に堺雅人が撮れたらしいけど、こっちは地獄だな。こんな状況じゃ、ムリだろう……」 だがキムタクの撮影を諦めかけていた昼前に、事態が動く。駐車場から建物に通じるスペースに、緑色の大きなテントが二つ設置された。白いユニフォームを着た料理人らしき数人の男性が内部に入ってしばらくすると、テント周辺からモクモクと湯気が立ち上る。ゆったりとしたBGMが流れ、撮影していたスタッフが建物から出てテントに集まってきた。着席して食事をとっているようだが、誰がいるのかは、はっきり分からない。 食事が始まって30分ほどが経った頃、高い塀の向こうに突然、キムタクの顔が現れた! 食事を終え席から立ち上がったのだろう。料理人たちに歩み寄るとにこやかな表情で声をかけ、共演する桐谷健太(当時33)と共に建物へ入っていった。 「スタッフは視聴率を上げるために必死ですが、さすがはキムタクです。撮影が長時間に及ぶと、ADにも『夜遅くまでありがとうね』などと声をかけていますから。キムタクのおかげで、雰囲気もだいぶ和んでいます」(前出・関係者) 現場スタッフや共演者のキムタクへの評価は、上がる一方だ。だがそれに反比例するように、出演ドラマの視聴率は伸び悩んでいる――。 『安堂ロイド』の平均視聴率は最終的に12. 8%。同じクールのドラマの中では上位のほうだったが、TBSの日曜劇場の前クールは『半沢直樹』だっただけに、かなり見劣りする結果となってしまった。そして、キムタク主演ドラマとしては当時のワーストとなる数字だった。 不振の理由としては、「SFというジャンルに視聴者が馴染めなかった」、「単純に話が面白くなかった」、などと言われたが、一方で「いつもそうだが、キムタクは何を演ってもキムタク」「キムタクが出ていれば数字が取れるという時代は終わった」という声もあがっていた。 だが、逆に10年後の現在でも同じように「キムタク作品が爆死」とネットで言われつつも、主演作が途切れないことからも、彼の存在感の大きさを感じてしまう。現在は事務所の性加害問題のあおりで、主演ドラマ『教場』(フジテレビ系)の撮影延期やCM降板など、苦境が伝えられるキムタクだが、彼ならばそれも乗り越えられるに違いない。
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