GPIFが植田CIO再任検討、巨額運用の指揮5年目に-関係者
(ブルームバーグ): 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、3月末に任期が切れる最高投資責任者(CIO)の植田栄治氏を再任させる案を軸に検討していることが11日、分かった。事情に詳しい関係者が明らかにした。植田氏の意向も踏まえ、任命権者の宮園雅敬理事長が最終判断する。
新たな任期は、宮園理事長の任期が切れる2025年3月末までの1年間。通常CIOの任期は2年だが、理事長が任命する仕組みとなっていることから、再任されても理事長の任期が切れるまでの在任期間となる。植田氏は現在2期目で、再任されれば5年目に入る。巨額資産の運用を指揮する立場であるCIO職を誰が担うのかは市場の関心も高い。
GPIFの広報担当者はコメントを控えた。
GPIFは世界最大の年金基金で、23年12月末時点で約225兆円を運用する。運用資産額は、宮園、植田両氏による体制が始まった20年4月から約75兆円増加し、過去最高を更新している。植田氏はゴールドマン・サックス証券出身で、株式アクティブファンドを積極的に採用するなど「運用の高度化」を進めてきた。
GPIFは22年秋以降、北米株と先進国株(除く日本)でそれぞれ19本と14本のアクティブファンドを採用。さらに、ことし2月9日、日本株のアクティブファンド23本を選定したと発表した。
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Takashi Umekawa