ピエール瀧に復帰報道 芸能界は甘いのか?
昨年3月に麻薬取締法違反容疑で逮捕、6月に東京地裁で懲役1年6月執行猶予3年の判決を受けたピエール瀧に、一部スポーツ紙で来年公開の映画で2月下旬にも仕事復帰すると報じられ、ネット上には賛否の意見が躍っている。昨年は沢尻エリカや田口淳之介ら薬物事件が相次いだ芸能界。沢尻被告も1月31日の初公判で公訴事実を認め即日結審、6日に判決が下される。公判で沢尻被告は女優復帰について「考えていない」「復帰を語る資格はないと思っている」としたが、水面下では復帰に向けての準備が進められているとの報道も一部出ている。こうした事件の際に必ず出てくるのが「芸能界は甘いのではないか」という指摘だ。
ネットに躍る賛否 芸能人の影響力の大きさ
ピエール瀧の復帰報道が出るとネット上には「いくらなんでも甘すぎる」「芸能人はすぐ復帰できていいよな」「社会復帰はいいけど、せめて執行猶予期間中は芸能界には復帰しないで欲しい」などと否定的な意見が続出。その一方で「法律が許しているのだから復帰できるのは当然。他人がどうこう言うことではない。むしろ仕事をちゃんとさせたほうが周囲も安心では」といった復帰について肯定的な意見もけっして少なくはない。 「芸能人の場合は一般人と違って世間への影響力が大きいので、その分責任も重いと捉えられます。未成年層に対しても模範とならなければいけないところを、逆に悪い例を示してしまった。その芸能人が短期間で復帰するということには抵抗を感じる人も多いでしょうし、否定的意見が出るのはわかります。ただ、犯罪の内容でもその辺は大きく左右されますよ。けっして薬物が軽い罪だという意味ではありませんが、たとえば性犯罪については世間の見方も芸能界の見方もより厳しくなる傾向にあると思います」と話すのは、民放放送局の50代男性スタッフ。
芸能人ならでは? 復帰せざるを得ない事情も
その反面、芸能人ゆえに早期に復帰せざるを得ない事情もあるという。 「損害賠償などのペナルティーはもちろんですが、周囲にも迷惑をかけていますから、本人に早く仕事復帰してもらわないと困るという人たちも一定数いるわけなんですね。芸能界でずっと生きてきた人間が、他の仕事でなかなか同じようには稼げません。償うためにもむしろ芸能の仕事に早期復帰させることが現実的なんです。実際に本人的にはもう世間に顔をさらすのも辛いと真剣に引退を考えたんだけどもそういった事情で復帰を急がなければならなかった、というケースもあります」とは、芸能プロダクションの50代男性マネージャー。 ネット上の意見も、「何が何でも芸能界に復帰させるな」という声は少数で、否定的意見の多くが「復帰が早すぎる」という復帰時期に対する違和感をうったえる声が目立つ。復帰させる側も、早期の復帰となるとそれだけ世論の反発も強くなるのは覚悟の上でのことなのだろう。近年は芸能界もスポンサー筋を含めコンプライアンス意識が高くなってきており、こうした事例についても徐々に変わってくる可能性もありそうだが、芸能人という職業ならでは、勘案すべきことも多いのかもしれない。 (文・志和浩司)