「政治とカネの改革に汗をかく」と世耕弘成氏、和歌山2区・二階王国で勝利
保守分裂の和歌山2区（海南市、御坊市、田辺市、新宮市など）では、不記載事件で自民を離党し参院議員からくら替え出馬した無所属新人の世耕弘成氏（61）が、自民元幹事長を父に持つ自民新人の二階伸康氏（46）らを破り、初当選を確実にした。安倍晋三政権で閣僚などを務めた実績をアピールし、引退した自民元幹事長が長年権勢をふるった「二階王国」で勝利を収めた。 田辺市にある世耕氏の選挙事務所には、午後8時すぎに早々と当選確実の一報が伝えられた。世耕氏は200人以上の支援者を前に「多くの方から『もう一回頑張れ』と言っていただいた。心から感謝申し上げたい」と笑顔であいさつした。 不記載事件について「われわれの所属していた旧安倍派が原因をつくったという面が非常に大きい。真摯（しんし）に反省しなければいけない」と述べ、「国民の信頼回復に向け、一番努力をしなければいけない立場。責任を持って『政治とカネ』の改革、政治資金の透明化に汗をかいていく」と語った。 かねて首相への意欲を示していた世耕氏は衆院議員へのくら替えを模索してきた。不記載事件で離党勧告処分を受けて離党したが、党の後ろ盾がない無所属候補として、自民の二階俊博元幹事長の地盤を含む和歌山2区に挑んだ。 衆院小選挙区定数の「10増10減」に伴い、県土の約9割に及ぶ新たな区割りとなった広大な選挙区を奔走。経済産業相や自民党参院幹事長といった要職経験をアピールし、「即戦力となるのは私だ」と訴えてきた。 一方、自民の公認を得た二階氏側には、県内の首長や業界団体の大半が支援につき、組織戦を展開したが及ばなかった。
