関西大・金丸投手

◇２２日　関西学生野球秋季リーグ戦　関西大４―６関西学院大（わかさスタジアム京都） 　中日などのドラフト１位候補に挙がる関西大・金丸夢斗投手（４年・神港橘）が、大学ラストゲームを１イニング三者凡退で終えた。前日２１日に関西学院大の優勝が決まっていたため登板予定はなかったが、伝統の一戦と呼ばれる「関関戦」で２点をリードされたことから、流れを変えるために登板を志願。８回に登板して三ゴロ、三ゴロ、一飛に抑えた。 　ネット裏から視察した中日の山本将道スカウトは「変化球を試して、今年の試合を終えたかったんでしょうか」と直球を少なめに、スプリットやスライダーを投じた内容にそう語った。 　救援登板に終始したラストシーズンは４位と悲願の日本一に挑戦することはできなかったが、１年時から”秋３連覇”に貢献してきた。 　侍ジャパンの井端弘和監督からは、右打者にも左打者にもインコースを突ける制球力を高く評価され、中日関係者からは「（沢村賞投手の）今中慎二投手クラスのサウスポー」と称され、今季カブスで１５勝をマークした今永昇太投手の「駒沢大時代よりも良い球を投げる」と評価される。 　腰の骨挫傷から故障明けの最速１５４キロ左腕は今秋、先発が一度もなく、クローザーの役割で１０試合１５イニング無失点。５６打者に対して８安打、１８奪三振、２四球、２死球だった。今年は春秋通算５４イニング自責点０（失点１）で、昨秋からは７２イニング連続の自責点０だった。 　神港橘（兵庫）３年時は新型コロナウイルスの影響で甲子園での大会がなく、夏の兵庫県独自大会は５回戦に勝って終了。当時は１４２キロが最速。大学デビューは１年秋で、２年春に１５０キロ超え。４年間の通算成績は４９試合（先発２５）で２０勝（７完封）３敗の防御率０・８３。２３９イニング３分の２を投げて、１５０安打、３１２奪三振、３３与四球、９死球の２８失点（自責点２２）。１試合平均に換算した三振奪取率は１１・７１と「ドクターＫ」ぶりを遺憾なく発揮。２年秋に最優秀選手賞とベストナインの２冠、３年秋に最優秀選手賞、最優秀投手賞、ベストナインの３冠、今春は３度目のベストナインを獲得した。 　明治神宮大会には２年秋に出場し、１回戦の東農大北海道戦で先発７イニングを４安打、８奪三振の１失点（自責点０）で勝利投手となり、明治大戦は救援で３分の１イニングを無安打無失点。今春は侍ジャパンに選出され、欧州代表との第２戦（京セラドーム大阪）で先発に抜てきされ、２イニングを無安打、４奪三振の”完全投球”だった。