窃盗被害にあった「へたれガンダム」 事件後ファンが続々 福島市平石地区
福島市平石地区の一角にある人気アニメのロボットを模した鉄像、通称「へたれガンダム」。県内外から多くの人が訪れるほど人気のへたれガンダムだが、今年5月、足元に設置していた募金箱が盗まれる窃盗被害があった。事件報道があった後には、心配したファンが訪れているという。(社会部・遠山蓮) ■「へたれガンダム」とは へたれガンダムは2009(平成21)年ごろ、福島市のアマチュア鉄作家によって制作された。翌2010年、平石地区に展示していた恐竜像が老朽化で撤去となり、地区が新たなシンボルとして設置した。 高さ約2メートル、猫背のがに股姿。モデルとなったロボットのりりしい勇姿とは異なるが、その姿を一目見たファンは一様に笑顔になるという。2カ月に1度は訪れるという郡山市在住の橋本明彦さん(53)は「頼りない見た目をしているが、なんだか元気をもらえる」と魅力を語った。 ■へたれガンダムの盗難被害
へたれガンダムは5月6日午前7時50分ごろ、足元にあった現金約4千円が入っていた募金箱を盗まれた。募金箱は2022(令和4)年12月、維持管理費を募れるよう、地元の平石地区が設置した。管理する佐久間誠区長は「(募金してくれた)人の善意を踏みにじる行為で許せない」と憤った。 2020(令和2)年5月にも、手に持っていた銃の飾りが盗難被害にあった。銃の飾りはいまだに戻っておらず、犯人も捕まっていない。 ■地域住民の支え 2020年の盗難被害後、匿名で武器の飾りが次々と寄せられた。その年の6月には福島工高生が授業の一環で制作した「ビームライフル」を贈るなど多くの人の支えがあった。 今回の募金箱窃盗事件の報道から間もない16日、多くのファンがへたれガンダムの元を訪れ、平石地区が新たに設置した募金箱に募金する姿があった。福島市に住む根津優介さん(28)は「事件を新聞で知り、支えたいと思い訪れた。一ファンとしてこれからも見守っていきたい」と話した。
設置から14年間、訪れる人を笑顔にしてきた。今日もへたれガンダムは福島の大地に立つ。 (県北版)