AI時代のMacBook Air、本当に「お買い得」なのはM3機な理由
初代、ジョブズ時代から続くくさび形デザインのMacBookが消えた
可搬性能の高さに加えて、筐体の表面処理を変えたことで、カラーバリエーション「ミッドナイト」のMacBook Airが指紋の付着が目立ちにくくなったこともうれしい。M3 Pro/M3 Maxチップを搭載MacBook Proの新色「スペースブラック」で採り入れた、アルミニウム筐体表面の酸化皮膜処理加工が効いている。指紋が付きにくく、また拭き取りやすいのだ。仕事などでノートブックPCを持ち歩くだけでなく、ミーティングやプレゼンテーションなどで「人に見せる」ことも多い方にも、ミッドナイトのMacBook Airが選びやすくなった。 M3搭載MacBook Airの発売後も、13インチのモデルに限りM2搭載のMacBook Airが継続販売される。価格も現行モデルの中で最もアプローチしやすい税込14万8800円からだ。M2チップもMacおよびmacOSで「いまできること」を難なくこなせるパフォーマンスを備えている。出費を抑えることが最優先ならばM2搭載機を選んでもいい。 新製品の発売にともない、Apple M1チップを搭載するMacBook Airが終売を迎える。スティーブ・ジョブズが2008年のイベントで発表した初代MacBook Airから受け継いできた、印象的な「くさび形(ウェッジシェイプ)デザイン」が現行ラインナップから姿を消す。現在は狭額縁デザインによる薄型で大画面のノートブックが主流を占めているので致し方ないが、いつか再びモダナイズされたウェッジシェイプのMacBookが見たいと筆者は思う。
新しいAirはAI時代にかけるアップルの「本気の象徴」か
■新しいAirはAI時代にかけるアップルの「本気の象徴」か アップルは3月4日のリリースの中で「AIのための世界最高の消費者向けノートブック」として新しいMacBook Airの特徴を強めにアピールしている。Apple M3チップには少ない電力消費で高いパフォーマンスを発揮し続ける16コアの機械学習(AI処理)に特化するNeural Engineと、CPU/GPUにもアクセラレータが内蔵されている。 アップルは従来「マシンラーニング(機械学習)」というワードを前面に押し出す印象を筆者は持っていたので「Appleシリコンへの移行により、すべてのMacがAIに最適なプラットフォーム」であると明言したプレスリリースのコピーに驚いた。そしてアップルのAIに対する姿勢の変化を感じた。 もしかすると、今年のWWDC(世界開発者会議)でアップルは自前のAIに関連するアプリケーションやソリューションの強化を発表するのかもしれない。アップル独自のパーソナル音声アシスタント「Siri」にLLM(大規模言語モデル)をベースにしたチャットAIが組み込まれ、iPhoneやMacのユーザーと連続する会話を軽快にこなす……なんてことが、そろそろ起きても不思議ではない。 2023年にはOpenAIのChatGPTやグーグルのBard(現在はGemini)、Adobe Fireflyなどさまざまな生成AIが注目された。2024年以降は生成AIを組み込んだアプリケーションやサービスの普及が一般にも広がるだろう。もし今ノートブックPCの買い換えを検討されているのであれば、これから登場するであろう生成AI関連のソリューションを快適に、長く使い倒せるマシンがほしい。M3搭載MacBook Airは良い選択肢の1つになる。