再び5ゲーム差。ソフトバンクは首位・西武を逆転可能なのか?
ここまでの両者の対戦成績はソフトバンクの10勝8敗。チーム打率.273を誇る西武が対ソフトバンク戦となると打率.238と抑え込まれていて、本塁打数も25本と、ソフトバンクの対西武戦の34本より少ない。また防御率も西武が5.17でソフトバンクの4.92よりも悪い。つまり西武はソフトバンク戦になると得意の打撃戦に持ち込めていないのだ。特に先の3連戦では4番の山川穂高がほぼ完璧に封じ込まれた。 また開幕からソフトバンクが対西武に5連敗した後に4連勝、先日の9連勝中にも3連勝するなど、両者の戦いは連勝、連敗につながることが多い。残り7試合で一気にカタがつく可能性もある。 池田氏は右膝を痛めて戦線離脱中のデスパイネの復帰が逆襲へのポイントだと見ている。 「今、結果を残している大竹、ミランダもデータが出てくるので今後は対策をされてくると思う。疲弊が目立つブルペンに関しては、中田賢一、武田らの起用で穴埋めができている。武田は短いイニングを投げることで彼自身にも新たな感覚も出てくると思う。勢いをつけて残り試合を突っ走るには打線だろう。そろそろデスパイネが戻ってくると聞いているので、その場合、モイネロを下げてグラシアルと2枚を打線に並べるという考え方があってもいい。そうなると柳田悠岐、グラシアルへのマークも散らばるのでプラスの連鎖が生まれると思う」 デスパイネだけでなく内川聖一も復帰を狙う故障者リストにいる。サファテがいなくなることは想定外だっただろうが、開幕前には、ほとんどの解説者がソフトバンクを優勝予想したのだ。 里崎氏はソフトバンク戦で勝てない菊池雄星が両チームの勝負を分けるキーマンだという意見だ。 「ソフトバンクを苦手としている菊池が直接対決の何試合に投げるかわかりませんが、そこで勝てるか、どうかがひとつのポイントになるでしょう。ただ今季初先発となった試合も、ピッチング内容が悪いわけではなく打線の援護がなく投打が噛み合わなかっただけなんです。こういう歯車は、何かのきっかけで変わるもの。とにかくピッチングスタッフに不安の残る西武は、菊池が投げる試合だけは、ソフトバンク戦に限らず絶対に落とさないことです。残り試合で連敗さえしなければ5ゲーム差は大きなアドバンテージになるんです」 菊池は、入団以来、7年間で対ソフトバンク戦に18試合登板して0勝13敗。ひとつも勝てていないのだ。 ベンチは今季菊池をソフトバンク戦からあえて外してきたが、8月24日に今季初先発。今宮健太、柳田に一発を浴びて8回4安打3失点で完投しながら打線の援護がなく敗戦投手となった。主に金曜日に投げている菊池のローテーを考えると、9月28日のソフトバンク戦に今季2度目の先発機会が回ってくる予定になっている。西武ベンチが限られた残り試合の中で、菊池をどう起用してくるかも注目ポイントだろう。 そしてソフトバンクの背中には1ゲーム差でピッタリと日ハムが張り付いていることも忘れてはならない。 この日、楽天生命パークのベンチ前でヒーローインタビューを受けた上林は、「優勝をあきらめていません。チーム全員で力をあわせてやっていきたいです」と、力強く逆襲を誓っていた。