太っ腹? じっくり新聞の立ち読みを許してくれる、ネパールの路上の本屋
ネパールの首都、カトマンズの朝。野菜売りの並ぶ路上を歩いていると、男たちが路上に立って新聞を読んでいるのに出くわした。 よく見ると、彼らは買った新聞ではなくて、路上の本屋に置かれた売り物を「立ち読み」しているのだ。本ならわかるが、新聞の立ち読みとは……。しかも彼らは見出しをチェックするだけはなく、かなり時間をかけて記事を熟読し、読んだ後はまたポイと元あった場所に置き、歩き去っていく。これでは売る方はまるで商売にならないと思うのだが、本屋は気にとめる様子もないようだ。
新聞など売れてもほとんど利益にならないから気にならないのか。この時は面白い光景だと思ったのでシャッターを切っただけだったが、あらためて写真を見ながら気になってきた。ネパールでは新聞というのは立ち読みするものなのだろうか? どうでもいい日常の些細なことではあるけれど、 今となっては地元の友人に尋ねるのを忘れたことを悔やむばかりだ。 (2012年1月撮影・文:高橋邦典) ※この記事はフォトジャーナル<世界の市場の風景>- 高橋邦典 第53回」の一部を抜粋したものです。