東海大相模打線を7回までわずか2安打に抑えた川和の先発・浜岡（撮影・保坂淑子）

＜高校野球秋季神奈川大会：東海大相模3－2川和＞◇14日◇3回戦◇サーティーフォー相模原 　川和の最速143キロ左腕・浜岡蒼太投手（2年）が、あと1歩で勝利を逃した。 　2－2で迎えた9回裏、2死から死球で走者を許し、2死一塁とし、甘く入ったカットボールを右中間に運ばれ、サヨナラ負け。「打たれたボールよりも、あの場面で死球を出したことがよくなかったです」と、反省を口にした。 　9月5日に組み合わせが決まると、毎日、東海大相模対策に時間を費やした。エース福田拓翔投手（2年）対策として打撃マシンを160キロに設定。テニスボールにゴムをつけ、速球に目を慣らした。動画を何度も繰り返し見て、全員で意見を出し合い研究。 　浜岡は「投球フォームに強弱をつけ、計算しながら投げられました」と、東海大相模打線の打ち気をそらし、7回までわずか2安打1失点と、夏の県王者を追い詰めた。 　しかし、どんなに研究をしても、間近で見るライバルの力ははるかに上をいっていた。「抜いた時のボールですら質が違った。伸び、回転もきれい。対策をしてもなお打てないボールというか。すごく魅力があった」と脱帽。「能力で圧倒できる投手を目指さなければと思いました」と、敗戦にも上を目指すきっかけを得た。 　今夏、神奈川県大会では4回戦で桐光学園を相手に6回まで3安打無失点に抑える好投（試合は1－4で敗戦）。秋は東海大相模に5安打3失点と好投。公立校屈指の左腕は「勝たないと自信ならない」と言い切った上で、「上の世界で野球をやりたい。そのためには福田君を超えないと、プロや上の野球はない。いい刺激になったなって思います」。もう1度自分自身と向き合い、春に向かう。