米65歳以上の資産、約1350万円増-コロナ期に住宅・株値上がり-調査
(ブルームバーグ): 米国では新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期に住宅と株式の価値が上昇し、一般的なシニア層で資産が約9万1000ドル(約1350万円)増えたことが、新たな調査で示された。
セントルイス連銀が連邦準備制度理事会(FRB)の家計資産調査(SCF)のデータを用いて調査を実施。この数字は、2019-22年時点で65歳以上が世帯主である家計の純資産増加額の中央値だ。40-64歳の世帯は5万7800ドル(中央値)増加した。
18-39歳の世帯は3万1600ドルと年齢別で最も少ない増加額にとどまったが、低いベースとの比較ということで増加率では最大だった。
米家計純資産、2023年に過去最高更新-大幅な株高と住宅上昇寄与
同連銀の経済的公平性研究所データサイエンティスト、ローウェル・リケッツ氏が共同で執筆した最近の論文によれば、シニア層は通常、若い世代より多くの富を持っているが、ここ数年は高齢者での増加がより顕著のため、格差が「一段と鮮明」になっている。
リケッツ氏は電子メールで、「ただ、これはゼロサム的な状況ではないことに留意することが重要だ。一般的な若い世帯なら、約3万2000ドルの上乗せで経済的安定と経済的流動性の両方を向上させ得る」と指摘した。
シニア層の純資産増加は、半分強が住宅の資産価値のような非金融資産によるもので、退職金口座やその他の金融資産が残りの48%を占めた。
高齢者では全体的に資産が増加したものの、顕著だったのは上位層。65歳以上のうち、富保有で90パーセンタイルの人たちは約89万3000ドル増えた一方、10パーセンタイルでは1181ドルの増加にとどまった。
原題:Wealth of US Seniors Surged $91,000 in Pandemic on Housing Gains (抜粋)
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Michael Sasso