長嶋監督から「ウルフ」と呼ばれた男、高橋由伸 いまだ破られない9本の先頭打者本塁打は日本記録
創立90周年を迎えた巨人。巨人での出場試合が多い野手、投手を中心に記録にも記憶にも残る歴代の「偉人」を紹介します。第15回は高橋由伸。 【写真】巨人・阿部監督が語る「ザ・ベストシーン」34万人が集結 09年日本一銀座パレード「ゾクゾクした」 * * * 「ゴジラ」松井秀喜に対して「ウルフ」高橋由伸。長嶋監督が命名した愛称がそれほど浸透しなかったのは、そのスマートゆえかもしれない。 1975年4月3日、千葉県生まれ。桐蔭学園から慶大に進み、通算23本塁打の東京六大学リーグ記録を引っ提げ、1997年ドラフト逆指名で巨人に入団した。 デビューは98年4月3日のヤクルト相手の開幕戦。「7番・右翼」で出場し、期待通りにプロ初安打を放った。5月2日、7月2日のともにヤクルト戦ではグランドスラム。新人で2本の満塁弾は初の快挙だった。シーズン後半は5番に定着。新人の打率3割は史上10人目で、セでは長嶋以来40年ぶりだった。リーグ最多タイの12補殺もマークし、新人外野手初のゴールデン・グラブ賞を受賞した。 2年目の5月5日には巨人軍第66代4番打者に。同年、G戦士として初となるシーズン3本の満塁弾を放った。2000年はリーグV、日本一に貢献。03年には11打数連続安打のプロ野球タイ記録を樹立した。07年の開幕戦では1番に入り、セ初の開幕戦先頭打者初球本塁打。この年、9本の先頭弾を放ったが、これは現在も日本記録となっている。 輝かしい実績を残して15年に現役引退し、そのまま40歳で第18代監督となった。
報知新聞社