「若者の街」渋谷を鮮やかに彩り続ける「HARUMI GALS」 イラストレーター山口はるみさんの作品による広告、渋谷パルコに久々登場 「渋谷半世紀」~若者の聖地の今~
6月14日にちょうど50周年を迎えた渋谷パルコ。その誕生日を祝うように、この夏、渋谷パルコの風物詩であるバーゲンセール「グランバザール」には、山口はるみさんのイラストレーションによる広告が登場する。1970~80年代、アートディレクターの石岡瑛子(いしおか・えいこ)さんやコピーライターの小池一子(こいけ・かずこ)さんと共に手がけたパルコの広告シリーズで、エネルギッシュでセクシー、色あせない魅力を放つ女性たち、「HARUMI GALS」を描き続けてきた。現在も日本を代表するトップアーティスト山口さんに、パルコ誕生から半世紀を機に、当時の広告制作のエピソードや創造の秘訣(ひけつ)、そして新たな「HARUMI GALS」について話を聞いた。(共同通信=内田朋子) ▽制服ではアイデア浮かばない 島根県の松江市に生まれ、高校時代までを故郷で過ごした。東京芸術大油画科を卒業後、西武百貨店宣伝部に入社する。
西武入社後の1969年、池袋にパルコ1号店がオープンすると、イラストレーターとして広告制作に参加する。「パルコの創業に関わった増田通二(ますだ・つうじ)さんは本当に自由な精神の持ち主で、一人一人の持ち味を引き出してくれました。個性の違う小池さん、石岡さんとの出会いも奇跡のようでした」と話す。 美術家の横尾忠則(よこお・ただのり)さん、イラストレーターの和田誠(わだ・まこと)さんら時代を代表するクリエーターたちにも囲まれた。「ずばぬけた才能と行動力を持った男女の仲間に恵まれ、一緒に仕事をすることで自分の力を伸ばすことができたのだと思う」と振り返る。 忘年会では、パルコの幹部たちや西武百貨店社長の堤清二(つつみ・せいじ)さんの前で、シャンソンをフランス語で歌ったりもした。「いま考えるととんでもない女の子」と笑う。そんな自然体の山口さんの魅力が、いつのまにか周囲の人々を巻き込み、渋谷のカルチャーを花開かせていった様子が目に浮かぶ。