だから後悔してしまう。「住宅ローンで失敗する人」と「住宅ローンに苦しまない人」の決定的な差とは
近年、日本には不動産バブルが到来し、住宅購入は大きな注目を集めている。しかし、そんな最中マイナス金利の解除が決定し、そろそろ家を買おうかと考えていたものの、不安を感じる人も多いのではないだろうか。そんな住宅購入を不安に感じる人の悩みを解決するために『住宅購入の思考法』が発刊された。本記事では発刊を記念して、本文の一部を抜粋、再編集してお届けする。 ● 「住宅ローンで失敗する人」と「住宅ローンに苦しまない人」の決定的な差 住宅ローンで借りられる金額と借りるべき金額が違うというのは当たり前のようですが、意外と知られていません。 不動産会社に行くと、基本的には年収の6~7倍まで借りましょうと言われますが、当然その正解は人によって異なります。なぜなら、住宅ローンは銀行によって審査は異なるうえに、その人の人生設計によって正解は違うからです。 もちろん、年収の6~7倍の金額を借りて成功している人もいますが、そういった人は軒並みしっかり計画を立てて、リスクを極限まで減らしています。 そのことを知らずに、住宅ローンを言われるがままに決めてしまうと必ず後悔してしまうので、気をつけましょう。 なお、こういったことが起きてしまう原因の1つとして、一部の不動産営業が自らの利益を優先しすぎてしまうことが挙げられます。不動産営業としては高い値段の家を買ってもらったほうが当然利益につながります。商売である以上仕方のない側面はありますが、その被害者に皆さんがなる必要は全くないので、ここで住宅ローンの適正金額について学んでいきましょう。
● 年収ではなくライフプランから考える 住宅ローンの金額を決める際に必要なことは、年収からの逆算ではなく、ライフプランから逆算をすることです。 年収から住宅ローンの金額を決めるだけでは、ほぼ確実に失敗します。ですから、将来どんな暮らしをしていきたいのか、そのために家に割けるお金はいくらなのかを考えることが非常に重要です。 まず、『借りられる金額』だけで言えば、住宅ローンは年収の9~10倍でも借りることはできます。そして多くの場合は前述の「いわゆる」適正倍率ということで年収の7~8倍程度の住宅ローンおよびペアローンを借りることを検討しますが、そのまま考えなしにローンを組むと、ほとんどの人が将来、生活が苦しくなってしまうため、注意が必要です。 この、将来の生活が苦しくなってしまう具体的な原因としてよく挙げられるのが、夫婦の子供に対する考え方のギャップです。たとえば、子供を私立に通わせたいのか、公立に通わせたいのかなどがそうでしょう。そもそも子供が何人ほしいのかというのでも考え方は違うと思います。 家を探すときになってはじめてこういったことを話し合う夫婦は、意外と多いです。 加えて、趣味も同様です。釣りが好き、ゴルフが好き、推し活をしているなど、なんでもいいですが、皆さんにとって、そういった活動は生きがいなのではないでしょうか。住宅ローンを限界まで組んでしまうとこういった趣味もどんどん減らしていかねばならず、家はあるのに幸福度が下がるという事態になりかねません。 こういった、自分がどういった生活をしていきたいのか、また、そのためにいくらお金が必要なのかをしっかりと考えて借入金額を決めることが重要です。なお、最終的にはそのプランをファイナンシャルプランナーなどに細かくチェックしてもらうと精度が格段に上がるのでおすすめです。 しっかりと子供や趣味にお金をとっておくとなると、多くの方が年収の5倍程度で落ち着きます。もちろん、それ以上でもそれ以下でもプランニングがしっかりしていれば問題ありません。 住宅ローンは非常に優れた精度ですが、人生を左右してしまうものでもあるので、年収だけで判断するのではなく、ライフプランから逆算をしていきましょう。
江口亮介