楽天「家計簿アプリ」をリリース。銀行、カード、Edy、ポイントなどを一括管理
楽天が家計管理アプリ「楽天家計簿」の提供をiOSで4月17日から開始した(Android版は今後提供予定)。 【全画像をみる】楽天「家計簿アプリ」をリリース。銀行、カード、Edy、ポイントなどを一括管理 「楽天銀行」「楽天カード」「楽天モバイル」「楽天Edy」「楽天市場」「楽天ポイント」ら、楽天グループが提供するサービスの支出を一括管理することが可能に。 楽天グループ以外の1000以上の銀行口座やクレジットカード、ショッピングサイトなどにも対応。 楽天グループは、家計管理アプリ「楽天家計簿」の提供をiOSで4月17日から開始した(Android版は今後提供予定)。 「楽天カード」や「楽天銀行」をはじめとする各種クレジットカードや銀行口座を連携することで、クレジットカードの利用状況や銀行口座の残高などの情報をまとめて確認することができる。 また、「楽天モバイル」「楽天Edy」「楽天市場」「楽天ポイント」ら、楽天グループが提供するサービスの支出を管理することも可能になる。 楽天グループ以外の1000以上の銀行口座やクレジットカード、ショッピングサイトや月々の携帯電話利用料金の支払いなどによる支出も一元的に管理することができる(ただし、楽天グループ以外のサービスは銀行口座は1口座のみ、その他サービスでは合計3アカウントまで)。 さらに、「楽天証券」をはじめとした各社の証券口座などの資産運用口座と連携した金融資産の管理に関連する機能の追加や、より充実した有料プランの提供などを2024年中に予定している。 家計簿アプリはMoney ForwardやMoneytreeなどの既存サービスが先行しているが、支出の多くを楽天のサービスが占める「楽天経済圏」ユーザーにとって、使いやすいアプリと言えそうだ。
「楽天ポイント」と「楽天Edy」のアプリを「楽天ペイ」アプリに統合
また、18日、楽天グループ傘下の楽天ペイメントは決済アプリを統合することを発表した。 「楽天ペイ」アプリに「楽天ポイント」「楽天Edy」の機能を集約する。こうした背景にはポイント利用に留まっているユーザーを「楽天ペイ」に誘導する狙いがあると見られている。 MMD研究所の「2024年3月QRコード決済上位4サービス利用者のポイ活意識調査」によると、現在最も活用しているポイントは「楽天ポイント」38.3%、「PayPayポイント」16.0%、「dポイント」15.7%、「Pontaポイント」9.9%という結果が出ており、「楽天ポイント」の一人勝ちである。 QRコード決済ユーザーにポイント活用への意識について聞いたところ、「意識して貯めている」と答えたユーザーは、「楽天ペイ」88.8%、「d払い」87.0%、「au PAY」76.6%、「PayPay」74.4%と、こちらも「楽天ペイ」が最も多い結果となった。 「楽天ポイント」ユーザーが「楽天ペイ」を使用するようになれば、ライバルにより差をつけることができるだろう。また、これまでサービス毎に別だったアプリを集約化することで、ユーザーの負担を減らすこともできる。 楽天グループは4月1日に傘下の金融子会社を再編する協議を開始したと明らかにしており、家計簿アプリのリリースや決済アプリの統合は、こうした流れの一部と見ることができる。楽天家計簿は楽天ユーザーにとっては朗報だろうが、各社の囲い込み戦略がそれだけ激しくなっているとも言える。消費者を自社の「経済圏」に呼び込むために、今後も熾烈な競争が続くだろう。
杉本健太郎