尿漏れ・尿トラブルを招く!トイレのたびにやりがちな「間違った習慣」とは?
【医師指導】尿トラブルは自分で改善できる#1
頻尿や尿もれ、年齢のせいと諦めていませんか? 「実は、多くの尿トラブルは誤った排尿習慣が原因。トイレの行き方を変えるだけで改善できることも」と医師の二宮典子さんは話します。尿トラブルの主な4つの理由と排尿のメカニズムについて解説します。
教えてくれた人:二宮典子(にのみや・のりこ)さん
医師。医療法人心鹿会(大阪)理事長。2005年、香川大学医学部卒業。女性医療クリニックLUNA心斎橋などを経て、21年から現職。専門は女性泌尿器科。泌尿器科専門医・指導医、性機能専門医。著書は『女医が教える 潤うからだづくり』(主婦の友社刊)。YouTubeの「ココシカ診療所」も開設。
注意!尿トラブルを招く習慣
・急いで排尿することが多い ・トイレに座ると即座に排尿している ・お腹に力を入れて排尿している ・最後の1滴まで残らず出したい ・「とりあえず」と思ってトイレに行くことが多い 当てはまるものがある人は要注意! 今からケアを始めましょう
更年期前後の女性の約半数が悩む頻尿・尿トラブル
頻尿や尿漏れなどの尿トラブルに悩む女性は多いもの。女性泌尿器科が専門の二宮レディースクリニック院長の二宮典子さんは、「更年期前後になると女性の約半数が悩み、60代、70代と年齢が上がっていくと該当する方はもっと多くなります」と話します。 50代以上のハルメク世代の尿トラブルの主原因は次の4つで、それらが重なっていることもあるといいます。 尿道を支えている筋肉が弱くなって、お腹に力が入ったときに漏れてしまう「腹圧性尿失禁」、膀胱が過度に収縮して急な尿意を催す「過活動膀胱(かかつどうぼうこう)」、女性ホルモンの減少によって頻尿や残尿感などが生じる「GSM(閉経関連尿路性器症候群)」、そしてもう一つが日頃の「誤った排尿習慣」です。 「お腹に力を入れておしっこを出していませんか。そんな排尿の仕方を毎日続けていると、尿道や膀胱自体に病気はなくても尿トラブルが起きやすくなるのです」と二宮さん。
尿漏れ・頻尿の主な4つの理由
■GSM(ジーエスエム) 閉経による女性ホルモンの急減で膣や外陰部が萎縮し、デリケートゾーンのかゆみや痛み、不快感、頻尿、尿漏れなどが現れる。2014年に提唱された比較的新しい病気の概念。 ■過活動膀胱 文字通り、膀胱が活動し過ぎる病気。尿がそれほどたまっていないのに膀胱が勝手に収縮して、我慢できないような強い尿意に突然襲われる。頻尿や尿漏れが主症状。 ■誤った排尿習慣 お腹に力を入れて出す、最後まで絞り出すといった排尿習慣があると膀胱や尿道に負担がかかり、トイレが近くなったり、将来の尿もれリスクが上がったりすることに。 ■腹圧性尿失禁 膀胱や尿道を支えている骨盤底筋が加齢や出産などによって弱くなり、くしゃみや咳など、お腹に力が入ったときについ漏れてしまう。女性が尿漏れになる原因として、特に多い。