舞台校舎で大鹿歌舞伎 約200人が訪れ歓声 竣工150周年特別公演【長野県飯田市】
長野県飯田市座光寺の「旧座光寺麻績学校校舎」(通称・舞台校舎)の竣工150周年を記念して3日、大鹿村の地芝居「大鹿歌舞伎」(国重要無形民俗文化財)による特別公演が舞台校舎で開かれた。地域内外から約200人が来場。役者の迫力ある演技に歓声を上げるとともに、舞台校舎の歌舞伎舞台としての姿に触れた。 舞台校舎は1873(明治6)年に建築され、翌年に麻績小校として開校。全国的にも例のない校舎と歌舞伎舞台の複合建物で県宝に指定されている。 大鹿歌舞伎が舞台校舎で公演するのは、修理竣工記念のこけら落とし公演を行った1997年以来27年ぶり。役者が登場する「花道」も設けて本格的な歌舞伎を実現した。 演じたのは「鎌倉三代記 三浦別れの段」。北条時政の娘時姫が、思いを寄せる敵方の三浦之助と父親との間で、どちらにつくべきか苦悩する姿を豊かに表現した。 役者の登場場面では歓声が沸き、見せ場では客席からおひねりが飛ぶなど盛り上がった。 同市座光寺から訪れた男性(83)は「初めて舞台校舎で歌舞伎を見たが、舞台も素晴らしいし、役者の演技もかっこよくて感動した」と感想を語った。 主催した座光寺地域自治会の特別委員会「麻績の里振興委員会」の筒井誠逸委員長(75)は多くの来場と公演の成功を喜び「もっと舞台校舎の利活用を広げていきたい」と話していた。