バイデン氏、死刑囚37人を終身刑に減刑 「執行再開は容認できず」
バイデン米大統領は23日、殺人事件で有罪が確定した死刑囚37人を仮釈放なしの終身刑に減刑すると発表した。12月に入って、脱税罪などに問われていた次男ハンター氏ら40人に恩赦を与え、約1500人を減刑したのに続く措置。バイデン氏は声明で「米国はテロや憎悪に基づく大量殺人を除き、連邦レベルで死刑執行を止めなければならない」との考えを示した。 バイデン氏は、連邦法違反で有罪になっている死刑囚40人のうち37人を終身刑に減刑した。2013年のボストン・マラソン爆弾テロ事件や18年に東部ペンシルベニア州ピッツバーグのシナゴーグ(ユダヤ教会堂)で起きた銃乱射事件などの犯人は減刑対象から外れた。 バイデン氏は21年7月に連邦レベルでの死刑執行を停止していた。23日の声明では、トランプ次期大統領が1期目の20年に死刑執行を17年ぶりに再開していたことを念頭に「ここで引き下がって、私が停止していた死刑の執行を次の政権が再開することを容認することはできない」と述べた。 米大統領には連邦法違反事件で恩赦を与える権限があり、退任間際の恩赦も慣例になっている。米国には州法違反で有罪になった死刑囚もいる。【ワシントン秋山信一】