福大、学群・学類制から学部・学科制に 組織見直し教育研究強化 福島県の教育課題に根差したモデルも開発
組織体制の見直しに入った福島大は、現行の学群・学類制を改め、学部・学科制へと改編する。13日に公表した「福島大グランドデザイン2040」に明記した。少子化が進展する中、教育研究組織を再構築し、国立大学法人としての機能を充実させる狙いがある。教員養成機能の強化なども進め、地域課題に根差した教育研究を展開する。 国立大学法人制度の導入と全学再編から20年、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から13年を迎え、財政問題や少子化の課題に直面する中、2020(令和2)年に策定した「福島大ミッション2030」を見直した。グランドデザインには2040年までの16年間で取り組むべき目標を記し、大学改革の方向性を定めた。 グランドデザインの詳細は10月9日に予定している定例記者会見で三浦浩喜学長が発表する予定。文理融合にとどまらず、異分野間の融合が可能となるような教育組織の再編を目指す。大学改革の在り方については「既存の教育組織である学群・学類、研究組織である学系を整理し、学部・学科制度への転換を目指す」と記した。現行の人間発達文化、行政政策、経済経営、共生システム理工、食農の5学類の統合再編も検討しているとみられる。復興や教員不足など福島県の教育課題に根差した「教員養成福島モデル」も開発する。
大学は福島師範学校、福島青年師範学校、福島経済専門学校を包括し、1949(昭和24)年に学芸、経済の2学部でスタートした。その後、学芸学部は教育学部と改称し、1987年に行政社会学部を増設。国立大法人化の中で理工学群共生システム理工学類を新設し、学部制から学群・学類制に移行した。2019年に農学群食農学類を開設し、3学群5学類となった。