「自分の役割を一生懸命に」杉野遥亮 を奮い立たせた映画『風の奏の君へ』 “心の動き”に寄り添う役作り
何かを一生懸命に、必死にやっている人って素敵
――今回は松下奈緒さんとflumpoolの山村隆太さん、それぞれアーティストという俳優とは違う側面を持っている方との共演でしたが、プレッシャーを感じられたポイントなどはありますか? 特に何かプレッシャーに思うというよりは、強いて言うなら「自分は自分のことを一生懸命やらないといけないな」と思いました。 松下さんは劇中でもピアノを弾かれていますし、山村さんもアーティストとしての活動があり、お二人とも俳優とは違う畑でも活躍されている方々で、それぞれカッコいいなと思いました。 何かを一生懸命に、必死にやっている人というのは、周りも刺激されて、励まされるし、自分も頑張らないと! と思えるので、本当に素敵でした。 ――お二人から刺激を受けて、杉野さんの中に取り込まれたこと、活かされたことはありますか? 一生懸命にやること、ですかね。山村さんは本当にある意味、一番ピュアだったと思うんです。余計なことがないというか……。だからそれがとても魅力的でした。自分はもう余計なものをたくさん抱えているのかな、なんて思ってしまいました(笑)。
この映画で、誰かの何かに寄り添えたら
――この作品では岡山のすごく美しい景色も見どころです。杉野さんが特に気に入った場所はありましたか? 印象に残っているのは【天球の茶畑】という、空に近い場所です。ロケ自体は4月くらいだったのですが、本当にちょうどいい季節でした。夕焼けもとてもキレイでしたし、もうそこにいるだけで眠くなってしまうような場所でした。 そこの茶畑の方に話をたくさん伺ったんです。当時、僕は農家だったり作物を育てるような生活に憧れがあったので、お話を聞いていたら、「2~3時間しか眠らない日もあるし、そういうのはざらです」と言われて、「想像以上に大変なんだ!」と思った記憶があります(笑)。 しかも、栽培だけでなく茶葉を摘むなど工程もさまざまあるんです。シーズンによっては出来不出来もありますし、やったことが無駄になっても、次の日に挽回できたら嬉しい。そういう自然との向き合い方みたいなのは、とてもいいなと思いました。 ――ご自身で一番注目してほしいシーンはどこでしょう? 僕は最後に松下さんがピアノを弾いているシーンです。それを観ている渓哉の顔が良かったなぁと思いました。自分では、ですけど(笑)。 やはりどうしても、作品全体を見るというよりも、自分の演技がどうかというところにフォーカスして見てしまうんです。だからあんまり意識しないで、ただ、その場に佇んでいるだけだった、ピアノのシーンがよかったです。演技とかをあまり考えることなくいられたシーンです。 杉野遥亮 1995年9月18日生まれ、千葉県出身。2015年に第12回FINEBOYS専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、芸能界入り。2017年の映画『キセキ ―あの日のソビト―』で俳優デビュー。映画『リベンジャーズ』シリーズや2023年ドラマ『ばらかもん』など主演作も多数。公開待機作に映画『風の奏の君へ』のほか、『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~』(2024年7月予定 WOWOW) 、『マウンテンドクター』(2024年7月予定 フジテレビ系)がある。 衣装クレジット ジャケット 135,520円、Tシャツ 42,900円、パンツ 75,900円/以上マラン(イザベル マラン 青山店 03-6427-3443)シューズ 115,500円/セルジオ ロッシ(セルジオ ロッシ カスタマーサービス 0570-016600)他スタイリスト私物
前田美保