妻であることを隠して夫の浮気相手とLINE友達になってみた。浮気の証拠を集めて復讐するためのサレ妻バイブル【書評】
自分がサレ妻(=浮気された妻)だと分かったとき、あなたならどうするだろうか。浮気されているなら、直ぐに離婚を選ぶという人も少なくないだろう。中には、どうせなら徹底的に復讐してから離婚したいと思う人もいるかもしれない。 【漫画】本編を読む
『旦那の浮気相手とLINE友達になってみた』(ハッチ:原作、ユニバーサル・パブリシング:構成、すぅ:作画 / KADOKAWA )は、サレ妻が元旦那と浮気相手に盛大な復讐を果たす作品だ。慰謝料と財産分与をしっかりもぎ取って離婚するまでが細かく描かれているので、配偶者の浮気が原因で離婚するときの参考書になるだろう。浮気調査の参考になる一方、完全勝利の復讐マンガでもあるので、浮気した人間が地獄に落ちる姿が見たい人にもおすすめの作品だ。
本作の主人公ハッチは、26歳のパティシエ。夫のテツは、ハッチが働くケーキ屋の常連客だった。結婚してから半年が経過したある日、ハッチはテツのデリバリーアプリの「注文履歴」を見たことがきっかけで浮気を疑いはじめる。浮気を疑ったタイミングで1番やってはいけないのが、感情のままに動くことだという。まずは証拠集めが何より大事なので、浮気に気づいていることを悟られないように動かなくてはならない。ハッチの場合は、元サレ妻でバツイチの友人・マミに助けを求めたことで、比較的冷静に浮気の証拠を集めていく。
ハッチはデリバリーアプリの履歴と巧みな戦略を駆使し、テツの浮気相手・パー子の住所を特定する。パー子から慰謝料をふんだくると誓ったハッチは、テツの妻であることを隠して交流をはじめ、パー子のLINE友だちに。全く関係ない人ですよ、という顔で浮気の情報を引き出していく様子は、さながら潜入調査官のようだ。ハッチのすごいところは、どんなにキツい状況でも冷静さを失わないことだろう。旦那の浮気相手から「今どき不倫なんて珍しくないでしょ?」といわれても笑顔を崩さない姿に、尊敬の念を覚える。そうして見事に聞き出した情報は、お花畑浮気カップルによる最低すぎる離婚計画だった――。