金田喜稔がミャンマー戦を斬る!「上田ら“核”になる選手が点を取ったのが良かった。引いた相手に対する攻撃の工夫も見られた」
「勝ち切れたことは非常に大きいし、良いスタート」
[2026年北中米ワールドカップ・アジア2次予選]日本 5-0 ミャンマー/11月16日/パナソニックスタジアム吹田 【動画】上田綺世の先制ゴール! 日本代表は2026年北中米ワールドカップ・アジア2次予選の初戦でミャンマー代表と対戦し、5-0で完勝した。 相手との力関係では日本のほうが上で、妥当な結果とも言えるけれど、2次予選が始まったという緊張感があったなかで、初戦かつホームという大事な試合でしっかり勝ち切れたことは非常に大きいし、良いスタートになった。 内容面では、ハットトリックを達成した上田をはじめ、鎌田、堂安とチームの核になる選手が点を取ったこと、ポゼッション率が70%以上と圧倒的にゲームを支配し、相手のシュートをゼロに抑えたことが良かった。 相手はディフェンスラインに7人が並ぶ時もあった。それだけ固められた守備を崩すのは、そう簡単ではないなかで、ボールを横に動かして揺さぶるなど、攻撃面での工夫が見られた。 後半からピッチに立った佐野が初招集を感じさせない堂々とした動きを見せていたのも、ポジティブな点だね。 森保監督は試合後のインタビューで、「もっと点が取れた」と語っていたけれど、さっきも言ったように、大事な2次予選の初戦をしっかり勝ち切ったという意味では、相手との力の差がどうであれ、素直に喜んでいいし、選手を褒めるべきだ。
重要なのは、中4日で戦う次のシリア戦での勝利
重要なのは、中4日で戦う次のシリア戦だ。 国際Aマッチの対戦成績では9勝2分0敗と圧倒している相手だけど、試合は中立地のサウジで開催され、レフェリーのジャッジを含め、何が起こるか分からない。しっかり準備をして臨みたい。 また、キックオフ時間が急きょ、現地時間で21日の20時から17時45分に前倒しされた。サウジのジッダはこの時期、平均気温が27度で、日中は30度を超える日もある。 ミャンマー戦の翌日には現地に移動するスケジュールだから、暑さ対策とコンディション調整も慎重に行なう必要があるね。 シリア戦のポイントは、先制点だろう。仮に先行されてしまうと、その後は引かれて難しい試合になってしまうことが想定される。 ミャンマー戦でベンチだった伊東や遠藤らの起用が見込まれるなか、スタートから相手に“勝てない”と印象づけられるくらい圧倒した攻撃力と守備力を見せつけたい。 それができれば、来年1月のアジアカップと、3月に控える2次予選の北朝鮮戦に向けて、勢いがつけられる。 ただ、現状ではシリア戦のテレビ放映が決まっていないようで、観られないかもしれない。たくさんの人に日本代表の試合が見られるようにしてほしい。 【著者プロフィール】 金田喜稔(かねだ・のぶとし)/1958年2月16日生まれ、65歳。広島県出身。現役時代はドリブルの名手として知られ、中央大在学中の1977年6月の韓国戦で日本代表デビューを飾り、代表初ゴールも記録。『19歳119日』で記録したこのゴールは、現在もなお破られていない歴代最年少得点である。その後は日産自動車(現・横浜)でプレーし、1991年に現役を引退。Jリーグ開幕以降はサッカーコメンテーター、解説者として活躍している。