J2清水エスパルスが初首位…DF住吉ジェラニレショーンが劇的決勝ヘッド
◆明治安田J2リーグ ▽第9節 清水エスパルス1―0甲府(7日・JITリサイクルインクスタジアム) 清水エスパルスは3試合ぶりの勝利で、初の首位に浮上した。甲府との“富士山ダービー”で後半45分、DF住吉ジェラニレショーン(26)が劇的ヘディングゴールを決めて1―0。6勝1分け2敗で勝ち点を19に伸ばした。 *** オレンジ色に染まったアウェー席では清水の住吉を讃える「ジェラコール」が試合後も止まらなかった。「絶対にサポーターのところに行こうと思っていた」。センターバックとして堅守を貫き、決勝弾をものにした勝利の立役者は、敵地で声援を送り続けた一人ひとりに感謝を伝えたかった。 昨季は1分け1敗と辛酸をなめた甲府戦。特に敗れたアウェー戦は監督交代の引き金となった一戦でもあった。スコアレスのまま試合が終わりに近づくにつれ、嫌なムードが漂い出した。「どっちに破壊力があるかはっきりさせようじゃないか」。引き分けるつもりがない秋葉忠宏監督(48)は、後半16分に右サイドバックのDF北爪健吾を、続く22分にはMF乾貴士を投入。流れは変わった。後半45分、右CKのチャンスから乾がコースを変えたところに住吉が飛び込んだ。 「個人としてもうれしいし、あそこまでボール運んでくれた前線の選手のおかげ」と謙虚に振り返る住吉を指揮官は絶賛した。「ゼロで抑えて点を取る。センターバック冥利(みょうり)に尽きるゲームだった。日本を代表する選手になってほしい逸材。もっともっと意欲的に成長していってほしい」 初めて首位に浮上した。「勝ち続けることが一番。残り29試合を積み重ねた先にチャンピオンが待っている」と秋葉監督。勢いづく住吉からも「ぶっちぎって優勝するぐらい。2、3位と差をつけられるように」と威勢のいい言葉が出た。 (甲斐 毅彦)
報知新聞社