【婚姻期間は37年】年金を受給している人が離婚したときの年金分割はどうなる?
年金受給者が分割する際の注意点
年金を受給している人の分割は、分割請求した日の翌月から分割した年金額に変更となります。 厚生年金保険に長く(20年以上)加入している人が65歳になったときに、年下の配偶者がいると、老齢厚生年金に加給年金がついたり、加給対象の配偶者が65歳になったりした場合、振替加算がつくことがあります。 前段の加給年金のついている夫婦が離婚すると、配偶者がいなくなるため、加給年金は取れてしまいます。一方、振替加算は、配偶者(例では妻)が65歳になると、妻の生年月日によって、妻の老齢基礎年金に加算されますが、一度加算されると離婚しても取れることはありません。 しかしながら、年金分割することによって、妻に分割された厚生年金保険期間(離婚時みなし被保険者期間)と自身の厚生年金保険加入期間の合計月数が240月以上になると、振替加算の支払いは止まってしまいます。 振替加算は、厚生年金保険の加入期間が長い人には加算されないからです。妻は年金分割することで、離婚時みなし被保険者期間を含めて240月以上となったためです。
まとめ
Aさんのケースでは、婚姻期間中の夫が納めてきた厚生年金保険の保険料は、夫婦共同で負担したものと考えます。現在、年金受給中の夫婦が離婚した場合の年金分割は、制度施行前の婚姻期間が長い人が多いので、合意分割をお勧めします。 しかしながら、夫婦で話し合いがまとまらず、調停などをしていない場合、離婚して2年を経過すると年金分割はできなくなります。あらかじめ代理人に依頼し、公正証書の作成、もしくは調停などを検討し、離婚後2年以内に忘れずに請求しましょう。 出典 日本年金機構 離婚時の年金分割 日本年金機構 加給年金額と振替加算 執筆者:三藤桂子 社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、FP相談ねっと認定FP、公的保険アドバイザー、相続診断士
ファイナンシャルフィールド編集部