ドラフト9位から大出世…「侍ジャパンの正捕手」狙えるDeNAの成長株は
打者を抑えるために重要視している点
一軍で頭角を現すようになったのはプロ4年目の21年。試合の最後までマスクをかぶった試合は15勝4敗1分という好成績を残した。打撃で試行錯誤を繰り返していたが、昨年にコンタクト能力が格段に上がったことで、正捕手争いで一歩リードする存在に。山本は今年4月に週刊ベースボールのインタビューで、相手打者を抑えるために重要視している点を聞かれて以下のように答えている。 「いろいろな要素がありますけど、僕が重要視しているのは、ピッチャーのボールの良さと打者の反応。一番は投手のボールですかね。ただ、状況によっては打者の苦手なところを攻めないといけないなど、ほかの要素が越してくることもあります。基本的な割合で言えば投手のボールの良さが5~6割くらいを占めています。3割ぐらいは打者の反応を見ていて、残りがデータです。データだけでやることは少ないのかなと思います」 「データももちろん頭には入れますし、毎試合取っていますけど、それはもう頭の片隅です。自分が本当に困ったときや、何もできなかったときに活用しようと。臨機応変に対応できなくなったときが一番バタバタするので、自分を助けるものとして位置付けています。もちろん投手がどういったピッチングをしたいなど、毎日ミーティングで確認することもデータの一部だと思うので、ボールの良さもデータと言えるかもしれません」
強いチームには要となる捕手がいる。DeNAの前身・横浜では谷繁元信がグラウンド上の司令塔として稼働し、1998年に38年ぶりの日本一に大きく貢献した。その谷繁が02年に中日にFA移籍すると、正捕手を固定できない期間が続いた横浜は10年以上の低迷期に。谷繁は中日で4度のリーグ優勝を経験。両球団の明暗が分かれる形となり、あらためて捕手の重要性を知らしめた。 25歳と伸び盛りの山本が谷繁のような球界を代表する捕手に成長すれば、DeNAが常勝軍団になる可能性が十分にある。侍ジャパンの正捕手も狙える成長株に要注目だ。 写真=BBM
週刊ベースボール