【2024世相の鏡①】「闇バイト」元リクルーター 報復恐れ、従い続け有罪 「引き返せなくなった…」
事の重大さに気づいたのも遅く、男性は詐欺と窃盗の罪で執行猶予付きの有罪判決。「報酬に惑わされ、後先を考えずに悪いことをした。家族に迷惑をかけたくなくて、引き返せなくなった」と後悔を語った。 政府は今月17日の犯罪対策閣僚会議で、捜査員が架空の身分証を使って犯人に接触する「仮装身分捜査」を来年早期に導入するなど、闇バイトから国民を守るための緊急対策をまとめた。SNS事業者にアカウント開設時の本人確認の厳格化を要請するほか、違法な求人情報を明確に定義し、削除を促す。 対策が急がれるのには、SNS上での求人求職が一般化している背景がある。「マイナビキャリアリサーチLab」が2月、アルバイトをしている高校生に実施したアンケートによると、「SNSでアルバイトを探した経験がある」との回答は46・6%。「怪しい求人を見かけたことがある」は41・3%に上り、「怪しい求人の勧誘を受けた」も10・4%いた。
大阪の男性は「以前は経済学部のある大学に行きたいと思っていた。まともな仕事をしたかった」と自身のふがいなさに悔しさをにじませ、「簡単に稼げる仕事はない。まともな仕事かどうか、ちゃんと判断しないと」と自嘲気味につぶやいた。(上島諒)