ロッテ・藤岡裕大×中村奨吾 MARINES SPECIAL CROSS TALK 言葉はいらない
互いを知っているからこそ、言わずして通じている──。ダイナミックかつ華麗な併殺プレーも、そんな“あうんの呼吸”が成せる業だ。10月4日時点でパ・リーグトップの守備率.989を誇るロッテ。その堅守の中心となっている結成3年目を迎える二遊間コンビは、日ごろの洞察力で技術を磨き上げてきた。 取材・構成=鶴田成秀 写真=小山真司、BBM 責任あるポジションだからこそ、常に動くことをやめない。“地味な動き”と言うカバーリングは、その意識の象徴だ。二遊間を担う2人は、あらゆるプレーを予測していく中で判断力を磨き、技術も向上していったという。 ──中村選手は遊撃・三塁。藤岡選手も三塁の経験があるだけに、二遊間のやりがいも強く感じているのではないですか。 中村 やっぱりセンターラインと呼ばれるポジションですからね。守備の要はキャッチャーですけど、グラウンドの中心にいるのは二遊間。前も後ろも見ないといけない。周りを見ながらプレーしないといけない。ピッチャーにも近い位置にいますし。やることはたくさんありますけど、キャッチャーが、気がつかないところにも目を配らないといけないと思ってやっています。 藤岡 そうですよね。それは、僕も思うことです。それがやりがいだし、奨吾(中村奨吾)さんを見て思うんことでもあるんです。だって「よく動いているな」と一緒にプレーしていて感じていますから。 中村 直接プレーに関わらないときも動くことは大事だからね。カバーリングだったり、見えないところではあるけど、それも大きなやりがいだよね。 藤岡 キャッチャーからピッチャーに返球するにしても、1球1球カバーに行く。ランナーがいれば、当然、それを踏まえて動く必要がある。1年目(2018年)のときは、本当に見て学んでいました。そうした見えない動きって、地味ですけど、本当に大事なこと。ボールに絡むプレーが多いのが二遊間ですから。あとは、キャッチャーのサインを見て、ポジションニングを変えるのも二遊間の特徴だと僕は思っているんです。 中村 確かに予測することは大事だよね。カバーリングだって同じ意味合いだし。でも、俺はサインより、キャッチャーが構えるミットのコースを大事にしているかな。右打者の外角に構えたら「飛んで来る可能性が高い」とかね。もちろん、内角に構えて逆球になったら飛んでくるケースもあるけど、要求どおりのボールかどうかで打球の勢いも変わってくる。裕大(藤岡裕大)もサインを見ているとはいえ、ポジションはそこまで大きくは変えないでしょ? 藤岡 はい。大きくは変えないです。なんて言うんですかね・・・
本文:5,141文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
週刊ベースボール