冬ボーナス「50万円」の予定が「10万円」に減額!? さすがに違法じゃないの? 異議申し立てが可能かについても解説
会社員として働いていて、もうすぐ冬のボーナスが支給される予定だという人も多いでしょう。 本記事では、楽しみにしていたボーナスの明細書を受け取り、わくわくして見てみるとなんと50万円の予定が10万円だったという場合を取り上げたいと思います。ボーナスの激減、しかも予告なくというのは違法なのではないでしょうか?
ボーナスの変動は違法ではない
労働基準法にはボーナスについて、「定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであり、その支給額が予め確定されていないもの」と定義されています。 つまり、ボーナスは会社の判断で支給されるものであり、必ず支給しなければならないと法律に定められているものではないのです。よって、「去年のボーナスは50万円だったのに今年は10万円だった」というのは違法ではありません。むしろ、「ボーナスなし」であったとしても同じです。 ただ「勤務成績に応じて」と言われても、ボーナスはあるのが当たり前で、なければ生活できないという人もいるはずです。異議申し立てはできないものなのでしょうか?
ボーナスの支給が確約されている場合
労働契約書や就業規則、賃金規定などにボーナス支給を確約する旨や、支給額や支給時期などが明確に記載されている場合には、会社は原則としてボーナスを支給しなければなりません。このような状況にある人は、会社に相談してみてもよいでしょう。 ■ただし書きに要注意 ただ、こういった会社の規定は柔軟な対応ができるように作られるのが一般的です。 ボーナス支給を確約する旨が記載されているとしても、その後に「ただし、会社の業績低下やその他やむを得ない事情がある場合にはこの限りではない」などという、ただし書きがある会社が多いです。ボーナスが10万円になった裏にやむを得ない事情があるのであれば、異議申し立てをしても認められない可能性が高いでしょう。
事前通知の義務はない
「ボーナスを減額する場合、会社が従業員に事前通知しなければならない」といった法律は定められていません。よって、ボーナスの明細書を見て初めて減額を知ったとしても、会社に違法性はありません。 ただし、労働契約書や就業規則などにおいてボーナスの支給が確約されている場合には、会社は従業員に事前に通知しなければなりません。
まとめ
「ボーナス50万円のつもりが、蓋を開けてみると10万円だった」という場合、原則として異議申し立てをしても認められる可能性は低いです。ただし、労働契約書などにボーナスの支給を確約する旨が記載されている場合には請求できる可能性があるので、会社に相談してみましょう。 ボーナスが激減して腹が立つかもしれませんが、「相談は冷静に」が鉄則です。これからも在籍するつもりの会社であるならなおさらなので注意しましょう。 出典 厚生労働省 ・労働基準法の施行に関する件(昭和22年09月13日発基第17号) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部