400年の伝統を受け継ぐ 松江の秋の風物詩「鼕行列」勇壮な太鼓の音が城下町に響く(島根)
山陰中央テレビ
秋の松江の風物詩、伝統の「鼕行列」が20日に行われ、城下町に勇壮な太鼓の音が響きました。 直径1.2mから1.8mほどの大きな太鼓「鼕」を載せた山車屋台が、秋の城下町に繰り出す「鼕行列」。400年以上前に京都から伝わったと言われています。 嶋村采音アナウンサー: 「城下町松江の秋に彩りを添える伝統行事、鼕行列が今年も始まりました」 20日は勇壮などうの響きとともに、松江城大手前から白潟天満宮までの約1・8キロを16団体、約1600人が練り歩きました。上定市長も殿さま姿で登場、祭りを盛り上げました。 参加者: 「初めて参加します。出身はアメリカなのですが、3年間ぐらい松江に住んでいます。歩きながら鼕を叩くのが難しいですがとても楽しいです」 「最初はきつかったが、叩いていく内に楽しくてずっと叩いていたいと思った」 鼕の打ち方やお囃子は、城下町の町会ごとに受け継がれ、鼕行列は、世代を超えて地域を一体にする源にもなってきました。 しかし、近年は人口減少などの影響で担い手不足が課題になり、近隣の住民の参加を受け入れている地区も少なくありません。 嶋村采音アナウンサー: 「新人の岡本アナも鼕行列に参加しています」 TSK新人の岡本アナウンサー。兵庫県出身ですが、地域を問わず、誰でも参加できる有志の団体「鼕友会」の一員として鼕行列に初めて参加を果たしました。 岡本楓賀アナウンサー: 「今年から松江に来たのですが、鼕友会の仲間になった感じです。日ごろのストレスが発散できて最高な気持ちです」 20日は沿道で観光客など約7万人が勇壮な鼕の音に酔いしれました。 観客: 「毎年のことだが何十回見てもやっぱりいいなと思う。鼕の音を聞くと、弾む感じがして故郷だなという感じがします」 「子どもたちは初めて見るので、しっかりと練り歩くところを見て楽しみたいと思います」 また、松江城大手前で鼕の体験会も開かれ、観光客や子どもたちが鼕打ちを体験しました。 なかには、公演のため松江を訪れていた音楽バンド「竜馬四重奏」のメンバーも。 ばちを手に、鼕打ちに挑戦しました。 竜馬四重奏のメンバー: 「最初は難しかったが、みんなでやっているうちに自然にリズムが入ってきた感じがした」 「打楽器専門だが正直全然分からなかった。フィーリングで勝手に合っていくのが最高だった」 400年の伝統を受け継ぐ松江鼕行列。地域の絆を確かめる伝統行事が終わると城下町の秋は一層深まります。
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