大手製紙会社があって紙製品が人気だが…山口県和木町、ふるさと納税返礼品のルール厳格化で寄付額激減
ふるさと納税の返礼品を巡り、国が地場産品の基準を2023年10月から厳格化したのに伴い、山口県和木町で寄付額が大幅に減っている。大手製紙会社の倉庫が町内にあることから、町はトイレットペーパー、ティッシュペーパーなどの紙製品を返礼して人気を集めていたが、地場産品に該当しないとして取りやめたため。代わる返礼品の開発を検討する。 【グラフ】山口県和木町のふるさと納税の寄付額 町によると、23年度のふるさと納税による寄付額は、基準が変更されるまでの4~9月は駆け込みで1億340万円が寄せられた。だが、10月~24年2月は前年同期比で96%減の327万円にとどまっている。 町は16年度から返礼品に紙製品を加え、寄付額は徐々に増加。18年度の5526万円に対し、22年度は1億2077万円と過去最高になった。一般会計予算が40億円規模の町には大きな収入で、町は小中学校の給食費の無償化や福祉サービスに充ててきた。 一方で総務省は、地場産品に該当するのかどうか曖昧な返礼品が増えているとして基準を見直した。複数の商品をセットにした返礼品は地元産が全体価格の70%以上を占めるようにするなど、新たなルールを設けた。 町は国の厳格化の方針を受け、製紙会社の工場が隣接の岩国市や大竹市にあるため、紙製品は地場産品に該当しないと自主的に判断。昨年10月に返礼品から外した。 町は24年度の寄付額を500万円と前年度の5%程度と見込む。町企画総務課は「返礼品のめぼしい代替品はなく、町財政にとって痛手。今後も過度な期待はできず、地元の関係団体と連携して新たな特産品の開発を目指したい」としている。
中国新聞社