西武・西口新監督、最下位からの船出「守りの野球」でチーム立て直す
西武の新監督に決まった西口文也2軍監督(52)が11日、東京都内のホテルで就任記者会見に臨み、最下位からの巻き返しへ「守り勝つ」をテーマに掲げた。1軍で結果が出せなかった選手については「メンタルが弱い選手が多いように見受けられる」と改善を望んだ。球団によると複数年契約。鳥越裕介氏(53)がヘッドコーチに就くことも決まった。 現役時代と変わらないスリムな体形を維持する西口新監督は、穏やかな表情を浮かべながら心境を口にした。 「ついに、この日が来たなという思い。今、この場にいることが夢心地です」 チームは球団ワースト91敗(49勝3分け)を喫してリーグ最下位に沈んだ。通算182勝の元エースは約1カ月前、飯田光男球団本部長から「お前しかいない」と監督就任を打診され「心の中で『俺しかいないのか?』…とは思っていないですよ。どうやったら勝てるチームにできるかと考えた上で、返事をさせていただきました」と明かした。 西武一筋でプレーし、2015年の引退後は投手コーチなどを歴任。22年から2軍監督として指揮を重ねた。チームを知り尽くし適任といえる。 「守りの野球が自分の中では理想。少ない点数でもいいから守り抜く。そこに打線がかみ合ってくればいい」 今季のチーム打率はリーグ歴代最低の・212で、2桁本塁打の選手はゼロ。それでも場数を踏んだ若手の成長が見込める中、「足を絡ませることができれば」と思い描いた。テーマを掲げた一方、選手には厳しい言葉で奮起を促した。 「自分はメンタル的に強い人間だと思っている。今は1軍に上がっても結果が出ない選手が多く、メンタルが弱い選手が多いように見受けられる。1軍でも活躍できるようになってほしい」 ヘッドコーチには、ソフトバンクのコーチ時代に4度のリーグ優勝、日本一に貢献した鳥越裕介氏が就任した。妥協のない指導に定評があり、西口監督は「僕よりも厳しく選手に接していただければ」と期待を寄せた。 渡辺久信ゼネラルマネジャー(GM)兼監督代行(59)の退団に伴い、来季はGM職を置かない。歴史的な大敗を喫したシーズンからの巻き返しへ、西口監督率いる新生ライオンズが船出する。(石井孝尚)